研究課題/領域番号 |
09041157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 紀郎 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80026434)
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研究分担者 |
辻村 茂男 滋賀県立琵琶湖研究所, 研究員 (60300969)
小崎 隆 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00144345)
中原 紘之 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026567)
舟川 晋也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20244577)
森本 幸裕 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40141501)
竺 文彦 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50131040)
北川 政幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (00144923)
家森 幸男 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80025600)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
20,100千円 (直接経費: 20,100千円)
1999年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アラル海 / 灌漑農業 / 飲料水 / シルダリア / 塩分 / 農業 / 貧血 / 環境破壊 / 農薬 / 潅漑農業 / シルダリア川 / 地下水 / 灌漑 |
研究概要 |
中央アジアにおける大規模灌漑農業とそれに伴う環境変化(環境問題)はアラル梅危機とかアラル海環境問題として、20世紀最大の環境問題として注目を浴びてきた。しかし、その実態はいまだ解明されないまま、観念的に論議されつつある。本研究グループはアラル海問題を中央アジアの地域研究としてとり組み、これまでに多くの成果をおさめてきた。詳細は「日本カザフ研究会調査報告書・中央アジアにおける大規模灌漑農業が生態環境と社会経済に及ぼす影響」1(1993年)〜7(1999年)に各分野の論文が収録されている。 本研究は、アラル海環境問題の中でも重要な環境要因である飲料水に注目し、シルダリアおよびアムダリア流域における住民の飲料水の質を1997年から3ケ年にわたって収集し、その水質(アニオン・カテオンおよび農薬)の分析を行い、1970年代以降の水質悪化の傾向と現状を詳細に把握する作業を展開してきた。とくに、シルダリア下流域地区・ノボカザリンスク地区の住民の飲料水が、シルダリア河川、農業用水、浅井戸、深井戸の4種類に依拠しており、1970年代に掘削された深井戸は塩分濃度の面から見て飲料水として不適切であること、また、浅井戸はシルダリアの流量の多寡あるいは農業に影響されていること、また従来、旧ソ連政府が飲用不適切と判断していた河川水が現在では飲料水の質として良好であることを立証した。このことは、河川水が197から80年代にかけて深刻な状態であるとされた農薬汚染が現在では問題視する必要がないことからも言える。貧血などの健康被害の実態把握のためには、現在発生しているといわれる疾病とその診断基準の再検討と環境要因との関連性に関する基礎的資料の収集を実施し、カザフスタン医療関係科学者との共同作業を開始し、このような研究の中から、小雨乾燥地帯(沙漠)における「水と人間とのあるべき関係」を追求しつつある。
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