研究分担者 |
工藤 岳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (30221930)
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
高橋 英紀 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20001472)
東 正剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90133777)
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60124335)
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研究概要 |
本研究は,IGBP-GCTEのコアリサーチ「モンスーンアジア陸域生態系における地球変化のインパクト」(TEMA)の熱帯低地多雨林観測体制を担う目的で行なった.TEMAの観測体制は,熱帯低地雨林生態系のステーションが欠けていた.本研究は,インドネシア・マレーシアとの共同研究としてボルネオにおけるTEMAステーションの整備・立ちあげを行なった.気候的極相である低地混交フタバガキ林生態系とともに,内陸泥炭湿地林および海岸湿地林といった地形的・土壌的成因による貧栄養生態系にも調査ステーションを設けて,低地生態系の全体像を把握することに重点を置いた.ボルネオ島南部の内陸低地には木質泥炭が深く堆積する特殊な森林生態系が広く分布する.中央カリマンタン・パランカラヤ市近郊のラヘイ地区およびその周辺に設営したステーションでは,泥炭湿地林と,泥炭が欠落した珪砂質栄養土壌上のケランガス林に森林調査プロットを設営し,毎木調査と同定のための標本採取の他,リタートラップと分解実験のためのリターバッグ(葉および細枝)も設置した.さらに土壌のガス交換特性を調べるために,採気による温室効果ガスの測定を開始した.また,広域の集水域特性をみるために,パランカラヤからタンジュンプティ国立公園にかけての陸水学的予備センサスを行なった. また,並行してマレーシア・サバ州タビン保護区に海岸湿地林生態系のステーションを設置し,すでにTEMA観測が進行しているキナバル山でもプロットの再測定と,特に高標高地域の植物の繁殖過程を行なった.2月上旬にはTEMA共同研究をひとつの柱とした札幌のシンポジウムに参加するとともに,3月中旬に開催されたGCTE-LUCC国際会議に出席してTEMAの成果を発表し,今後の観測体制について討議した.
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