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制度としての文化財と博物館-欧米,特にフランスとの比較社会学的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 09044044
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関関西学院大学

研究代表者

荻野 昌弘  関西学院大学, 社会学部, 助教授 (90224138)

研究分担者 小川 伸彦  奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10242992)
脇田 健一  岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (00305319)
SEGURET Fran  パリ, ラヴィレット建築大学校, 名誉教授
ABELES Marc  フランス国立科学, 研究センター, 主任研究員
JEUPY Henriー  フランス国立科学, 研究センター, 研究員
SEQURET Fron  パリ, ラヴィレット建築大学校, 教授
JEUDY Henri・  フランス国立科学研究センター, 研究員
研究期間 (年度) 1997 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1997年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
キーワード博物館 / 文化財 / 負の遺産 / 文化保存 / 観光 / 環境 / 比較社会学 / 戦争遺産 / 比較文化 / 社会学 / 都市 / 戦争
研究概要

本研究は、日本で近年高まりつつある文化財・博物館の社会的意味を問うことをめざして行った。三年間にわたる日本と欧米、特にフランスの調査に基づく。そのなかで得られた知見は多岐にわたるが、まず、ふれられなければならないのは、フランスと日本では、文化財という用語の定義自体がまったく異なるという点である。フランスで用いられるpatrimoineという用語は、社会のなかで見捨てられていたものを見直し、公共の財産として保存していこうとする意志が含意されている。遺産を通じて社会(とその歴史)を常に見直していこうというその性格から、フランスにおける文化財制度が、文化財保存のためだけではなく、フランス社会の秩序を維持する中核的な役割を担っていることがわかる。これに対して、日本では、「文化財」という言葉が用いられるとき、「見捨てられていたもの」の再評価と公共財化という観点は欠けている。そもそも日本では、伝統はモノの保存を通じてではなく、かつてあったはずのものを「かたち」に表すことで維持される(これを現在化の論理と呼ぶ)。したがって、モノ自体を保存することに関してはそれほど関心が高かったわけではなく、博物館制度の本格的な定着が遅れたのも、博物館を生みだした西欧近代の博物学的欲望を共有しなかったからなのである。ところで、戦後日本で、ようやくモノを通じた保存が本格的に論じられるようになったきっかけのひとつに、負の遺産と呼ばれる戦争遺産の保存問題がある(なお、負の遺産には公害、原子力事故の遺産なども含まれる)。それは、他の遺産とは異なり、展示品や展示方法に関してさまざまな議論を呼ぶ。研究者も例外ではなく、戦争遺産遺産に関しては、多様な解釈が可能である。本研究では、「視点の複合性」という立場にたち、ある特定の解釈だけを選択せず、多様な視点をいわば「共存」させる方法をとっている点が、方法論のうえでの新たな点である。

報告書

(4件)
  • 1999 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 荻野昌弘: "記憶のフィールドワーク"社会学論集(奈良女子大学). 6号. 79-85 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小川伸彦: "保存のかたち-文化財・博物館の社会学のために-"社会学論集(奈良女子大学). 6号. 229-235 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小川伸彦: "保存の空間-博物館がもたらすもの-"研究年報(奈良女子大学文学部). 43号. 49-56 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 荻野昌弘: "社会学における文化の位置"ソシオロジ. 138号(予定). (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鳥越皓之: "景観の創造"昭和堂. 306 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 片桐新自: "歴史的遺産の社会学"新曜社(予定). (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] OGINO Masahiro: ""Fieldwork in memories : World War II for the French""NARA WOMEN'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL STUDIES. No.6. 79-85 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] OGAWA Nobuhiko: ""The Way Things are Preserved : For the Sociology of Cultural Property and Museum""NARA WOMEN'S UNIVERSITY SOCIOLOGICAL STUDIES. No.6. 229-235 (1999)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] OGAWA Nobuhiko: ""On the Space of Conservation : Consequence of Museums""ANNUAL REPORT OF STUDEIS IN HUMANITIES AND SOCIAL SCIENCES, The Faculty of Letters Nara Women's University. No.43. 49-56 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] OGINO Masahiro: ""Place of Culture in Sociology""SOSIOROJI. No.138 (to appear). (2000)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TORIGOE Hiroyuki: "Creation of Scenery"Showado. 306 (1999)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KATAGIRI Sinji: "Sociology of Historical environment"Sinsyosha (to appear). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小川伸彦: "保存の空間-博物館がもたらすもの-"研究年報(奈良女子大学文学部). 43号. 49-56 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 荻野昌弘: "社会学における文化の位置"ソシオロジ. 138号(予定). (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] アンリ ピエール・ジュディ: "時間と集合的記憶" 日仏社会学会年報. 7号. 10-24 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] フランソワ・セギュレ: "建築・文化財の代償" 日仏社会学会年報. 7号. 25-46 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 荻野昌弘: "記憶のフィールドワーク-フランス人における第1次世界大戦-" 奈良女子大学 社会学 論集. 6号. 79-85 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 小川伸彦: "保存のかたち-文化財・博物館の社会学のために-" 奈良女子大学 社会学論集. 6号. 229-235 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 片桐新自: "歴史的環境の社会学" 新曜社, 6月予定 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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