配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
研究概要 |
(1)キラルルテニウム(II)錯体、△-[Ru(menbpy)_3]^<2+>(menbpy=4,4'-bis{(1R,2S,5R)-(-)menthoxycarbonyl}-2,2'-bipyridine)、△-[Ru(phenebpy)_3]^<2+>(phenebpy=4,4'-bis(1-phenethylaminocarbonyl)-2,2'-bipyridine),キラル銅(I)錯体、[Cu(tmdcbpy)(PR_3)_2]^+(tmdcbpy=4,4',6,6'-tetramethyl-5,5'-bis(S)-(-)-l-phenylcarbamoyl-2,2'-bipyridine)を新たに合成した。(2)△-[Ru(menbpy)_3]^<2+>についてエタノール中、パルスラジオリシスを行ったところ、1電子還元体が生成した。これはRu(I)錯体ではなく、配位子のmenbpyのアニオンラジカルのRu(II)錯体であることが、過渡吸収スペクトルより明かとなった。△-[Ru(menbpy)_3]^+による[Co(acac)_3]の立体選択的還元反応を行ったところ、選択性は2.7(∧体優先)であった。(3)[Cu(tmdcbpy)(PPh_3)_2]^+は近紫外光照射下で[Co(edta)]^-の立体選択的光還元反応をこれまでに無い高い選択性で行うことに成功した。特に後者では、転化率10%時でエナンチオマー過剰率は60%に達した。しかし、△-[Ru(menbpy)_3]^<2+>は[Co(edta)]^-の還元反応は行わなかった。(4)[Ru(bpy)_3]^<2+>によるカチオン性メチルビオローゲン、アニオン性ビオローゲン誘導体、4,4'-bis(3-carboxyethyl)-1,1'-bipyridinium(dcbpyと略称)、の光還元反応を行ったところ、dcbpyの還元は速やかに行われ、静電効果が電子移動に大きく影響していることが示された。(5)この反応をマーカス理論に従って解析し、電子カップリング項H_<rp>が電子移動速度の相違に影響していることを明かにした。(6)△-[Ru(menbpy)_3]^<2+>により[Co(acac)_3]の逆ラセミ化反応がアセトニトリル-水中、塩基存在下、可視光照射下で進行した。この反応は[Ru(menbpy)_3]^<2+>の励起状態の[Co(acac)_3]による酸化的消光により進行することを明かにした。(7)分子力場計算から[Co(acac)_3]は[Ru(bpy)_3]^<2+>へC_<3V>軸に沿って接近することが示された。
|