研究課題/領域番号 |
09044099
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平野 久 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (00275075)
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研究分担者 |
SALNIKOW J. ベルリン工科大学, 教授
KAMP R.M. ベルリン工業大学, 教授
佐々 英徳 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (50295507)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | N末端保護 / N-アセチル化 / 脱保護 / 古細菌 / アミノペプチダーゼ / アミノ酸配列分析 / 固定化pH勾配等電点電気泳動 / 蛋白質 / アセチル化 / ピログルタミル基 |
研究概要 |
蛋白質のアミノ酸配列分析は、蛋白質の立体構造や機能を明らかにするためだけでなく、蛋白質をコードする遺伝子を単離したり、その特性を解明する上で不可欠である。蛋白質の中には、N末端がアセチル化等によって保護されているものがあるが、こうした蛋白質の数は全蛋白質の50〜80%を占めている。これらの蛋白質についてはN末端配列をエドマン分解では決定することができないので、N末端保護基または保護されたアミノ酸を除去した後、エドマン分解によりアミノ酸配列を決定できる簡便で迅速、かつ感度の高い分析技術を開発することが重要である。前年度、PyrococcusアミノペプチダーゼによりN末端が保護された蛋白質をN末端からプロリンの1残基前のN末端ペプチド結合まで切断できることがわかった。本年度は電気泳動で分離した蛋白質をPVDF膜に転写した後、効率的に溶出し、Pyrococusアミノペプチダーゼで確実に消化する条件を検討した。その結果、PVDF膜を70%酢酸で30分処理することにより、転写された蛋白質を比較的効率的に溶出でき、溶出された蛋白質を凍結乾燥後、基質/酵素比 1:1、pH10、50℃で48時間で処理すると効果的に消化できることがわかった。一方、本年度は、蛋白質の分離精製に用いる二次元電気泳動の一次元目、固定化pH勾配等電点電気泳動のためのディスクゲルを作製する装置を開発した(実用新案出願 実願平10-8968)。ディスクゲルを用いることによりN末端が保護された蛋白質を脱保護してシーケンスするのに十分な量、分離精製できるようになった。さらに、PVDF膜に転写された蛋白質のN末端が保護されているかどうかをPVDF膜上で検出する方法を検討した。その結果、PVDF膜上の蛋白質をPITCで処理した後、N末端に遊離のアミノ基を持つ蛋白質のN末端アミノ酸を切断し、新たに生じるN末端アミノ基にDABITCまたはDNSAPITCをカップリングさせれば、保護されていない蛋白質を有色または蛍光のスポットとして検出できる可能性が生まれてきた。この方法で保護された蛋白質のみリシル-N-エンドペプチダーゼで消化し、生じたペプチドの中からN末端ペプチドをDITCポリマービーズを用いて単離すれば、質量分析法を用いて保護基を同定したり、そのアミノ酸配列を決めることができると考えられた。
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