研究課題/領域番号 |
09044111
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
居田 克巳 (居田 克己) (1998) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (00184599)
伊藤 公孝 (1997) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
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研究分担者 |
WAGNER F. マックスプランクプラズマ物理学研究所, 副所長
福山 淳 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60116499)
矢木 雅敏 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70274537)
伊藤 早苗 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70127611)
藤沢 彰英 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60222262)
WAGNER F マックスプランクプラズマ物理学研究所, 副所長
HIRSCH M. マックス, プランク・プラズマ物理学研究所, 研究員
居田 克巳 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (00184599)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 自己維持乱流理論 / 改善閉じ込め理論 / 崩壊現象の理論 / 非局所的輸送モデル / ヘリカル系 / 運動量輸送 / 自発的静電ポテンシアル分岐 / 内部輸送障壁 / トロイダル・プラズマ / 乱流輸送 / 異常輸送 / 改善閉込め / 径電場 / 電場分岐 / 乱流抑制 / 構造形成 |
研究概要 |
研究成果のうち代表的なものは、理論研究としては、(1)自己維持乱流理論の展開(亜臨界乱流特性、スペクトル、電磁乱流)、(2)改善閉じ込め理論の展開とヘリカル系にたいする指針の提言、(3)崩壊現象の理論的描像、(4)非局所的輸送モデルの構成、実験的研究としては(5)ヘリカル系の種々の改善閉じ込めの発見、(6)運動量輸送の研究、(7)電場分岐の実験的検証などが主だったものであるが、同時に電子無衝突表皮長程度の微視的揺動の実験的検証も特筆すべき事柄である。 トーラスプラズマの電場構造には、電場界面が存在することを理論的に研究した。電場界面とは、強い正の電場が現われる領域と負(または弱い正)の電場が現われる領域が接する面のことである。その近傍では電場勾配が強くなり、乱流輸送が小さくなりうろことを理論的に予言した。そして、この機構によって、ヘリカル系でも内部輸送障壁が生まれることを理論的に予言した。 従来の異常輸送の実験的把握では、磁気面を横切る熱流をその位置でのプラズマ・パラメタで表現する努力が進められてきた。その理論の枠内では、W7AS装置などで観測されている「外乱にたいする速い応答」を説明することが困難である。W7AS装置での観測結果を分析し、新しく非局所的輸送モデルを提案した。プラズマ勾配長程度の長波長の揺動が存在し、磁気面を横切る熱流がプラズマの分布全体の影響を受けるという理論である。自己維持乱流では、乱流-乱流遷移が起きることが理論的に予言されており、それによってELMsなど崩壊現象の理論が提案されたが、内部輸送障壁の崩壊についても、その機構に基づくモデルが提案された。 こうした描像にあわせ、実験研究にも大きな進歩を得た。CHS装置において静電ポテンシアルが二つの分布の間を交互に遷移する事が実験で観測された。これはトロイダル・プラズマの自発的静電ポテンシアル分岐に関する始めての明確な観測であり、従来理論的仮説だった電場分岐を実証する成果である。さらに二つの分布の間の遷移が継続的に発生することが世界で初めて確認され、ヘリカル系プラズマの「定常」状態の見方を変えるインパクトを持つ成果である。 また、そうした自発的分岐がヘリカル系のみならずトカマクでも予言されているが、その機構として運動量輸送にプラズマ圧力勾配に基づく流れがあることが理論的に予測されてきた。それの問題について詳細な実験研究を行い、運動量の勾配と流れの間の関係を求めた。そして、運動量の流れには、その勾配によらぬ成分(圧力勾配またはイオン温度勾配に起因する成分)があることを、明瞭に示した。
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