研究課題/領域番号 |
09044119
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 泉 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10161689)
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研究分担者 |
VOLKER Erdma ベルリン自由大学, 生物化学研究所, 教授
ERDMANN Volker A. FREIE UNIVERSITAT BERLINE,PROFESSOR
ERDMANN Volk ベルリン自由大学, 生物化学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 抗体 / 無細胞生合成系 / 分子認識 / 遺伝子工学 / 抗原特異性 / 蛋白質工学 / 進化工学 / 高原特異性 / 一本鎖抗体 |
研究概要 |
抗体はその特異的な分子認識能を利用し、医薬品や臨床検査薬等に広く利用されてきた。本研究は、より汎用性高い発現系として無細胞生合成系を利用した新規抗体の自在な作製系の構築と、その進化工学的手法への応用を目標とした。抗体のモデルとして、抗リゾチーム抗体HyHEL10の一本鎖Fvの大腸菌無細胞生合成系の確立を目指した。重鎮可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)の順序について、VH-リンカー-VL(HL)とVL-リンカー-VH(LH)の二通りで、研究分担者らの研究グループが開発した、転写翻訳がカップルした系に導入したところ、LHは目的の分子量の遺伝子産物が高発現しているのに対して、HLは目的分子量の遺伝子産物に加え、多くの低分子産物が見られた。加えてそれらの遺伝子産物の80%以上は不溶性として発現していたが、グルタチオン存在下、あるいはPDI、分子シャペロンの共存下での転写翻訳系により、そのほとんどを可溶性分子として得ることが出来た。両者は細胞を用いた発現系により作製した一本鎖抗体とほぼ同等の活性を有していた。医学的に重要な抗体について、抗MUC1抗体MUSE11、抗D抗原特異的抗体について、その一本鎖抗体の合成系の確立を試み、前年度作製した発現系の汎用性を確認し、抗体分子の汎用性ある調製を可能にした。この大腸菌無細胞生合成系の確立を基に、リボソーム構成蛋白質S7との融合発現と応用を目指した。S7-scFv(SH)とscFv-S7(HS)の二つの順序で融合蛋白質を設計し、確立した生合成系により発現を試みたところ、HSはその発現産物のほとんどが不溶性分子となるのに対して、SHはシャペロンを加えなくとも一部が可溶性分子として得られることが分かり、リボソームへの提示系を含めた進化工学への容易な応用が可能となった。
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