研究課題/領域番号 |
09044120
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
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研究分担者 |
SONG Insun ウィスコンシン大学, 工学部, 研究員
齋藤 玄敏 東北学院大学, 流体科学研究所, 助手 (70264091)
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00184664)
HAIMSON Beza ウイスコンシン大学, 工学部, 教授
BEZALEL Haim ウィスコンシン大学, 工学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 地殻応力 / 現位置計測 / ブライクアウト / 岩盤応力 / 地熱 / HDR / ブレイクアウト / 地圧 |
研究概要 |
本研究は、ボアホールブレイクアウトの発生機構と成長プロセスを明らかにして、大深度での地殻応力評価法の確立に資することを目的とする。まず、坑井周りに発生する応力場を、弾塑性有限要素解析により明らかにし、特に、坑底近傍に着目して、応力場の特性を抽出して、ボアホールブレイクアウトの発生機構を検討した。次に、この応力場を基にして、坑井の掘進長の増大に伴う応力場の変遷を近似的に表現する擬似2次元応力場モデルを構築し、ブレイクアウト成長プロセスを明らかにした。破壊基準としてはモール・クーロンの破壊基準を用いた。得られた結果を要約すると以下の通りである。 1. 坑底近傍には、坑底から離れた領域とは異なる方向に大きな相当応力が発生するがその大きな相当応力が発生する領域の大きさは坑井半径に比べて非常に小さい。すなわち、坑底の特異な応力場は、3次元的に非常に局所的である。 2. 破壊特性が、局所的な応力状態に鈍感な岩体においては、坑底近傍では破壊は起きず、坑底から離れた位置で破壊が起きる。このため、ブレイクアウトの発生方位は坑底から離れた位置で決まることになる。 3. 応力場の変遷は、原理的には、負荷経路に依存するが、結果的には、坑底の影響がほとんど全く現れてこない。この特性は、遠方応力場を種々変化させても保存されている。 4. 従って、現場で観測されるブレイクアウトは、上述の負荷履歴依存性には無関係に、円柱状空堝を有する無限体の応力場と同一の応力場の下で形成されたと考えて良い。 5. ブレイクアウトの幅は、弾性解析で求まる応力場から推定される幅とほとんど同一である。これは、Haimson等によって提唱されているブレイクアウト幅と地殻応力との関係に関する仮説が定量的に正しいことを示している。
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