研究課題/領域番号 |
09044126
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40213243)
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研究分担者 |
PAPADOPOULOS G.V. アテネ気象台, 地球物理, 主任研究員
YALCINER A.C 中東工科大学, 工学部, 助教授
高橋 智幸 京都大学, 防災研究所, 助手 (40261599)
箕浦 幸治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10133852)
首藤 伸夫 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90055137)
PAPADOPOULOS ジー ブイ アテネ気象台, 地球物理, 室長
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | サントリーニ島噴火 / クレタ文明 / 火山性津波 / 津波堆積物 / 海洋文明の消滅 / サントリ-ニ島噴火 |
研究概要 |
紀元前16世紀に噴火したしたサントリーニ火山性津波がクレタ文明に及ぼした影響を科学的に評価するために、ギリシャ本土・クレタ島・ロドス島、トルコ共和国エーゲ海側での現地における火山灰・津波堆積物の成分分析・年代測定を行い、さらにカルデラ崩壊のシナリオを基にした津波数値解析を実施した。その結果、サントリーニ島において火山性噴出物、クレタ島北部において津波堆積物を確認し試料として持ち帰り分析した結果、クレタ、トルコで採取した火山灰や津波堆積物は紀元前16世紀に噴火に関係していることが分かった。粒径分布、化学成分、堆積層に含まれていた有機物の年代測定値など紀元前16世紀の噴火により噴出した火山灰の成分と対応している。さらに、サントリーニ島及びクレタ島までの海域で、カルデラ陥没と仮定して津波を発生させ、クレタ島への影響を評価した。その結果、沿岸での波高は精々数mであり、推定される被害は従来言われているカタストロフィックなものではないことが判断できた。特に、昨年クレタ島北部での調査により判明した津波痕跡高さが2-6mの範囲であることと対応しており、本シュミレーション結果の妥当性を指示しているものと判断できる。これらの結果から判断できる結論として、港湾施設などに対しては大きな損害を与えたはずであり、当時盛んであった地中海交易に打撃を与えたと推定される。これは経済の衰退を意味し、外的からの防衛力の低下などにもつながったと思われる。
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