研究概要 |
平成9年度は,ブラジル側の2名の研究者が来日し,東工大精密工学研究所に滞在し,1名は,三次元測定機の校正に関する協同研究,特に生産現場に用いられる高速型の三次元測定機の,動的精度の校正のための仮想三次元測定機の開発研究を実施した.他の1名は,機械要素,特に静粛型の歯車機構の設計及び動的シミュレーションソフトウエアについての協同研究を実施し,はすば歯車機構の動的挙動について明らかにした.日本側からは2名の研究者がそれぞれ10日,および2週間,サンパウロ大学に滞在した.1名は,サンパウロ大学で三次元測定機の静的精度の校正に関する研究に参加し,この分野における日本,ヨーロッパの最新の研究を紹介した.さらに,南米でただ一社三次元測定機を製造している日系企業を訪問した.他の1名の日本側研究者は,サンパウロ大学で実施されている自動車用部品の振動解析プロジェクトに参加し,シミュレータソフトウエアの日本での開発経験などを講演した. 平成10年度は,ブラジル側の研究者が2名来日し,それぞれ約2週間,東工大工学部及び精密工学研究所に滞在した.工学部に滞在した研究者は,地域特化型生産システムの調査研究及び繰り返し制御に関する調査研究を実施した.精密工学研究所に滞在した1名は,1 自由度制御型磁気軸受及び校正用三次元測定機の構成に関する協同研究を実施した.日本側からは2名の研究者がそれぞれ約10日,サンパウロ大学に滞在した.1名は,三次元測定機の動的精度の校正に関する研究に参加し,さらに,南米でただ一社三次元測定機を製造している日系企業を昨年に引き続き訪問し,昨年指摘したブラジルでの三次元測定機の製造の問題点の改善点を確認した.他の1名の日本側研究者は,サンパウロ大学およびリオデジャネイロ大学で実施されている 1 自由度制御型磁気軸受の開発研究に参加し,日本の研究を紹介すると共に,ブラジル独特の回転軸受構成法について,日本でのシミュレーションとブラジルでの実験結果を比較検討し,ブラジル側の解析能力の向上を支援した.
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