研究課題/領域番号 |
09044225
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
峰雪 芳宣 広島大学, 理学部, 助教授 (30219703)
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研究分担者 |
唐原 一郎 富山大学, 理学部, 助手 (60283058)
村田 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (00242024)
GIDDINGS Jr コロラド大学, 分子細胞発生生物学科電子顕微鏡ユニット, 主任
STAEHELIY L. コロラド大学, 分子細胞発生生物学科, 教授
GIDDINGS.JR トーマス コロラド大学, 分子細胞発生生物学科・電子顕微鏡ユニット, 主任
STAEHELIN L. コロラド大学, 分子細胞発生生物学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 加圧凍結 / 電子顕微鏡 / 微小管 / 分裂準備帯 / 細胞質分裂 / coated vesicle / 根端分裂組織 / トモグラフィー / 加圧凍結装置 / 休息凍結法 / 急速凍結法 |
研究概要 |
細胞の分割場所と伸長方向は、微小管が細胞表層のどこに配向するかで決定される。前者に関与している微小管は分裂準備帯(preprophase band)、後者に関与している微小管は間期表層微小管と呼ばれている。これらの微小管の細胞表層での配向の仕組を研究するために、本研究では加圧凍結法を用いてタバコとタマネギの根端及びタマネギ子葉の表皮細胞を凍結し、電子顕微鏡でこれらの微小管とその周りの微細構造の観察を行った。その結果、分裂準備帯と間期表層微小管で、従来in vitroの研究から考えられていた微小管の開裂端と思われる構造を見つけた。微小管の端には、脱重合型の開裂端だけでなく、重合型、またキャップ構造を持つと思われるものも観察できた。また、脱重合型と思える開裂端の出現頻度が、オリザリンで微小管が脱重合中の細胞で上昇したことから、この構造は固定またはその後の試料調整中に生じた人工産物でないことが強く示唆された。加圧凍結した試料では、細胞膜がまっすぐになっているため、微小管と細胞膜との距離の定量的な解析が可能である。そこで、分裂準備帯形成に影響をおよぼすサイトカラシン処理をしたタバコ根端細胞を使用して、サイトカラシンの分裂準備帯への影響について定量的に調べ、微小管と細胞膜との距離に関しては有意な差がないことが分かった。分裂準備帯は分裂予定位置に局在するが、核分裂前には消失する。そのため、分裂準備帯の存在している時期になんらかの位置情報が貯えられると考えられている。初期の電子顕微鏡の観察で分裂準備帯に小胞が存在することから、この小胞を介してなんらかの位置情報が分裂予定位置に貯えられていた。しかし、加圧凍結した試料で、この小胞の大部分がcoated vesicleである可能性が出てきた。 Coated vesicleはendocytosis専用の小胞と考えられているので、分裂準備帯の位置情報蓄積のモデルとして今までとは異なるものを考える必要が出てきた。今後の課題である。
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