研究分担者 |
SCOTTING P. J. イギリスノッティンガム大学, 遺伝学研究所, 講師
福田 公子 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40285094)
西駕 秀俊 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60131918)
松下 晋 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50165809)
SCOTTING P.J イギリスノッティンガム大学, 医学部, 講師
REX Maria ノッティンガム大学, 医学部(イギリス), 助手
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
本研究は,種々の器官形成において重要な機能を果たしていることが明らかになりつつあるSox遺伝子群が,脊椎動物の消化器官の形成において果たしている役割を世界で初めて明らかにしようとするものである。 Sox遺伝子群はHMG boxをもつ転写因子をコードする遺伝子群で、現在までに20種類を超える遺伝子がクローニングされている。我々はニワトリ胚消化管の上皮で発現しているSox2とcSox21に注目して,その発現パターン,間充織による発現調節,および遺伝子導入法を用いた機能解析を行った。cSox2,cSox21とも,消化管の前方の,食道,前胃(腺胃),砂嚢の上皮で発生の初期から発現している。この発現はそれぞれの器官の形態形成と細胞分化がもっとも盛んな時期に発現し,その後低下,消失する。また極めて特徴的なことは,その後方の発現境界が,腸上皮特異的に発現するCdxAの前方境界とぴったり一致すること,前胃腺上皮では発現が著しく低下することである。また,このような発現は,間充織によって制御されていることが,上皮一間充織再結合実験から示された。腸上皮を砂嚢間充織とともに培養するとcSox2,cSox21の発現が誘導され,また胃上皮の発現は腸間充織によって制御された。 遺伝子導入の結果は,cSox2が前胃腺上皮におけるニワトリ胚期ペプシノゲンの特異的遺伝子発現を抑制することを示した。また腸上皮でのcSox2,cSox21の強制発現は,必ずしもCdxAの発現を抑制しないので,Sox遺伝子群は単独ではCdxAの発現をコントロールせず,パートナー因子の存在が示唆された。 このように,本研究ではSox遺伝子群の消化器官形成における重要性が示され,その機能解析の基礎的データが集積された。
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