研究課題/領域番号 |
09044267
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
COLE Susan P クィーンズ大学, 医学部, 教授
KAPLOWITZ Ne 南カリフォルニア大学, 医学部, 教授
伊藤 清美 北里大学, 薬学部, 講師 (60232435)
加藤 将夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30251440)
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | ABC輸送担体 / cMOAT / MRP / MLP / 多剤耐性 / 胆汁排泄 / ABC輸送担 |
研究概要 |
ラット胆管側膜上には、グルタチオンおよびグルクロン酸抱合体を含む種々有機アニオン系化合物の胆汁排泄に関与するcanalicular multispecific organic anion transporter (cMOAT) が発現している。 我々は正常ラットとcMOAT機能を欠損する遺伝的変異ラットEisai hyperbilirubinemic rat( EHBR) における胆管側膜透過機構を測定し、比較することによりcMOATの基質特異性を明かとした。 cMOATの基質特異性は、多剤耐性癌細胞膜上に高発現される。multidrug resistance associated protein (MRP) と類似していること、およびcMOATも一部多剤耐性に関与する結果が得られていることから、特に抗癌剤の輸送について検討を加えた。 その結果、methotrexateおよびtopoisomerase阻害剤CPT-11およびそのactive metaboliteであるSN-38のカルボン酸型がcMOATの基質となること、およびSN-38グルクロン酸抱合体がcMOATの基質となることを示すことができた。 これらの結果は、cMOAT/MRPを高発現する癌細胞が、これらの抗癌剤に対して耐性を有することを示唆する点で、極めて重要なものである。 更に、cMOATのcDNAクローニングを完了していたが、その機能解析は未だなされていなかった。 そこで、cMOATcDNAを哺乳類発現ベクターpCXN2にsubcloningし、NIH3T3細胞にtransfectした。 G418存在下で得られた安定遺伝子導入株より膜ベシクルを調整した。 膜ベシクルにおけるcMOAT基質2,4-dinitrophenyl-S-glutathione (DNP-SG) の輸送を測定したところ、ATP依存性が観察され、cMOAT機能が再現できた。 本研究結果は、クローン化されたcMOATcDNA産物の機能を定量的に評価した初めての例であり、今後抗癌剤を含む種々薬物がcMOAT基質となるか否かを判断する上で重要な実験系が確立された。
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