研究課題/領域番号 |
09044276
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
木村 郁子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (70019131)
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研究分担者 |
CHANGEUX J?P パスツール研究所, 教授
出崎 克也 日本学術振興会, 特別研究員
野島 浩史 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (50208344)
萩野 信義 テキサス大学, サンアントニオ校・健康科学センター, 教授
CHANGEUX Jean-Pierre Institut Pasteur, Professor
木村 正康 テキサス大学サンアントニオ校, 健康科学センター, 教授
CHANGEUX J.ー パスツール研究所, 神経分子生物学, 教授
HAGINO Nobuy テキサス大学, サンアントニオ・健康科学センター, 教授
恒枝 宏史 パスツール研究所, 神経分子生物学, 客員研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | nicotine / β2-ノックアウトマウス / 中脳黒質緻密帯 / α7サブユニット / methllycaconitine / 神経型ニコチン性アセチルコリン受容体 / ドパミンニューロン / 受容体活性調節Ca動員 / β2ノックアウトマウス / 中脳黒質 / methyllycaconitine / Ca^<2+> / アセチルコリン受容体チャネル電流 / RAMIC / 脱感作 / α-bungarotoxin |
研究概要 |
Acetylcholine(ACh)やnicotine刺激によって神経型ニコチン受容体(N-nAChR)チャネルを通過するCa^<2+>(receptor-activity modulating intracellular calcium:RAMIC)が、共存する他種の受容体活性をコントロールするという著者らの仮説を中枢および末梢レベルで実証すること、及びM-nAChRのサブユニットβ2とα7がその機能に寄与している可能性を検討した。Changeux教授の研究室で作製したβ2(-/-)ノックアウトマウスの骨格筋終板および黒質緻密帯(substantia nigra pars compacta)におけるRAMIC特性の変化を、β2(+/+)wild-type siblingマウスと比較した。β2(-/-)マウス短指屈筋の単一細胞終板において、AChやcytisineによってRAMICが発生し、AChチャンネル電流の開口頻度の脱感作もβ2(+/+)マウスと変わらなかったので、α7(-/-)マウスでさらに検討する必要が出てきた。一方、β2(-/-)マウス黒質緻密帯においてnicotineによって動員されるRAMIC量はコントロールマウスに比べて非常に減少した。中脳における黒質ドパミン神経は線条体に投射に、運動機能を調節している。この機能の損傷が、固縮、無動、姿勢調節障害などを特徴とするパーキンソン病を起こす。黒質緻密体のドパミン神経には数種類のN-nAChRが発現し、神経の活動度を調節している。nicotine刺激によりβ2またはα7を含む2種類のN-nAChRがRAMICを動員し、ドパミンニューロンを活性化し、神経終末および樹状突起からのドパミン遊離を促進すると考えられる。一方,nicotineやepibatidineのようなN-nAChR活性薬が炎症性痛覚過敏や糖尿病性神経症モデルに治療効果を示し,耽溺性のない新しい鎮痛薬の探索研究が始まっている。正常マスス骨格筋終板のN-nAChR活性に対して、arachidonic acidとprostaglandin D_2がM-nAChRのチャネル電流の脱感作反応を促進し、両者の作用は相乗的であることが明らかにした。これらの病態による痛みやしびれなどの感覚障害が生ずるメカニズムを明らかにするきっかけが得られた。
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