研究課題/領域番号 |
09044284
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北島 健 名古屋大学, 農学部, 助教授 (80192558)
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研究分担者 |
COLLEY Karen イリノイ大学, 医学部, 助教授
ROTH Jurgen チューリヒ大学, 病理部門, 教授
LENNARZ Will ニューヨーク州立大学, 生化学細胞生物学部門, 教授
井上 康男 台湾中央研究院, 生化学研究所, 教授
松田 幹 名古屋大学, 農学部, 教授 (20144131)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ポリシアル酸 / KDN / 硫酸化糖鎖 / 細胞接着 / 受精 / KDN-切断酵素 / シアル酸の生合成 / シアル酸の機能 |
研究概要 |
細胞間相互作用の素過程において、細胞表面の複合糖質糖鎖が果たす制御的役割は重要である。本研究は、これら機能性糖鎖による細胞間相互作用の制御の分子機構の解明と、その人為的制御を目指している。本年度は、以下のことを行った。 1.細胞表層オリゴ・ポリシアル酸鎖の形成機構の解明:(1)細胞表面にポリシアル酸鎖を発現する種々の細胞株および形質転換細胞に対して、ポリシアル酸鎖をもつ魚卵ポリシアロ糖タンパク質のcDNAを形質導入して、生合成の分子機構を調べた;(2)ニジマス卵ポリシアロ糖タンパク質のポリシアル酸鎖生合成に関与するシアル酸転移酵素のクローニングを行って、数種類の酵素cDNAクローンが得られた;(3)オリゴシアル酸特異的なモノクローナル抗体を用いて、哺乳類血中および脳に検出されるオリゴ・ポリシアル酸鎖をもつ担体タンパク質の同定を行った;(4)ラットおよびブタの調べた数種の臓器すべてにおいて新規なN-グリコリルノイラミン酸オリゴマー構造をもつ糖タンパク質の存在が化学的、組織免疫化学的に示された。 2.受精のおける酸性糖鎖を介する配偶子間相互作用:(1)ニジマス精子に存在するKDN糖鎖が、ニジマス卵細胞膜状の糖タンパク質を同定するための結合アッセイ法を開発した;(2)既に知られている哺乳類透明帯タンパク質のホモログをニワトリ卵膜中にみいだして、これらの分子のcDNAクローニングを行った。 3.がん細胞系におけるポリシアル酸鎖、KDN糖鎖による転移、増殖制御:KDN糖鎖が、胎仔期の肺形成過程に一時的に発現され、肺がん細胞にも再び出現するがん胎児性抗原として、糖脂質性、糖タンパク質性の両者の存在を明らかにした。天然には見出されていないKDNα2,6-Gal結合に対する単クローン抗体の調製を行うために、免疫源とするKDN複合糖質をα2,6-シアル酸転移酵素を用いて合成する方法を確立した。
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