研究課題/領域番号 |
09044285
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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研究分担者 |
HEIZMMAN C.W チューリッヒ大学, 医学部, 教授
伊奈田 宏康 三重大学, 医学部, 助手 (90283522)
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
HEIZMANN C.W チューリッヒ大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1997年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | カルシウム結合蛋白質 / S100C / 遺伝子発現変化 / 虚血性心疾患 / 低酸素 / 癌細胞 / genomic gene |
研究概要 |
我々は長年にわたり、カルシウム結合蛋白質阻害薬を使用する薬理学的研究法により、カルシウム結合蛋白質の生理機能を明らかにしてきた。我々が発見したカルシウム結合蛋白質S100Cは、細胞周期依存性発現量が変化することを既に見出しており、一次構造はそのcDNAクローニングにより明らかになっている。平成8年度国際学術共同研究の成果として、β-ブロッカーであるプロプラノロールの心筋保護作用においてS100Cの関与を明らかにし、さらに病態モデル動物においてS100Cの発現量が変化することを見出している。そこで平成9年度国際学術共同研究においては、各疾患におけるS100Cの病態的役割やその分子機構について詳細に検討した。我々は、既にラット心筋梗塞後の心不全においてS100Cの遺伝子発現量が変化することを報告したが、さらに興味深いことに、ラット低酸素曝露モデルにおいてもS100Cの発現量が変化することを新たに見出した。すなわち、S100Cが細胞低酸素や虚血等の刺激によりその遺伝子発現が変化することを明らかにした。さらに我々は、ブタS100Cのgenomic geneのクローニングに成功しその塩基配列を決定した。これらの遺伝子構造解析から、S100Cは低酸素・虚血により遺伝子発現が調節される領域の存在が示唆され、現在その分子メカニズムを解析中である。また、共同研究者であるC.W.Heizmannらは、我々が作製したS100C特異抗体を用いて各疾患におけるS100Cの組織化学的解析を進めている。さらに我々は、種々の病態におけるS100Cの役割について、その標的蛋白質の同定や遺伝子発現制御機構などに焦点をあて現在解析中である。
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