研究課題/領域番号 |
09044302
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
雫石 聰 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028789)
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研究分担者 |
SHARMA A. ニューヨーク州立大学, 助手
SOJAR H.T. ニューヨーク州立大学, 助教授
GENCO R.J. ニューヨーク州立大学, 最上級教授
永田 英樹 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50260641)
天野 敦雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50193024)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 歯周病原性細菌 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / 共凝集 / グラム陽性菌 / Streptococcus oralis / 唾液タンパク質 / 結合 / Streptococcus oralls |
研究概要 |
本研究では、Porphyromonas gingivalisと口腔常在グラム陽性菌との共凝集に関与する共凝集素を同定し、共凝集を効果的に阻害するペプチドを開発することを目的とした。P.gingivalisの表層成分を分画し、P.gingivalisとStreptococcus oralisとの共凝集の阻害活性を濁度分光分析法を用いて調べた結果、線毛タンパク質が強い阻害活性を示した。線毛のアミノ酸配列を基にリコンビナント線毛や合成ペプチドを作製し、共凝集阻害活性を調べた結果、アミノ酸残基266-286が非常に強い活性を示した。この領域はproline-rich protein(PRP)やstatherinへの結合部位であることを既に報告しており、このペブチドが有力なP.gingivalisの定着阻害ペプチドであることが示唆された。また、PRPとP.gingivalisとの結合にはPRPのC末端が関与することを報告しているが、本研究で、このC末端ペプチドはP.gingivalisと種々のグラム陽性菌との共凝集をも阻害することを見出した。従って、PRPのC末端もP.gingivalis定着阻害ペプチドの有力な候補であると考えられる。一方、S.oralisの表層成分を用いてP.gingivalisの線毛との結合をOverlayassayにより調べた結果、S.oralisの35kDaの表層タンパク質が関与していることが示された。この35kDaタンパク質の部分精製標品は共凝集を強く阻害した。さらに、このタンパク質に対する抗体は他のグラム陽性菌の表層成分とも反応し、同じ抗原性を示す成分が種々のグラム陽性菌に存在することが示された。従って、この35kDaタンパク質のアミノ酸配列を調べ、P.gingivalisとの結合領域を決定することにより、共凝集を阻害するもう一つのペプチドが作製できると考えられる。今後、これらの有力な共凝集阻害ペプチドの阻害効果の比較や複数のペプチドを組み合せた新たなペプチドを作製しその阻害効果を調べることにより、より有効な共凝集阻害ペプチドの開発の可能性が示唆される。
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