研究課題/領域番号 |
09044309
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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研究分担者 |
WILLIAMS Dav シェフィールド大学, 化学科, デモンストレーター
LOAKES David 英国医学研究機構, 分子生物学研究部, 研究員
BROWN Daniel 英国医学研究機構, 分子生物学研究部, 特別研究職
島本 整 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90187443)
根岸 和雄 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (70116490)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | P-ヌクレオシド / 突然変異 / ヌクレオシドアナログ / DNAポリメラーゼ / エイズウイルス / ニッケル / 取り込みミス / 逆転写酵素 |
研究概要 |
P-ヌクレオシドのデオキシ体(dP)に関し、ニッケルイオンの影響について研究を行った。まず、変異に対する影響を調べたところ、GC-to-AT変異を選択的に阻害することがわかった。逆のAT-to-GC変異はむしろ弱く促進的であり、阻害作用は認められなかった。この影響は、DNAポリメラーゼによる取りこみへの影響によるのではないかと考え、大腸菌DNAポリメラーゼ1 large fragmentを用いて、dPのトリリン酸体(dPTP)の取り込みへのニッケルイオンの影響を検討した。その結果、ニッケルイオンは一般にDNA合成の速度を遅くするが、鋳型G上のdPTPの取り込みをdCTPの取り込みより強く阻害することがわかった。一方、鋳型A上の取り込みはPでもTでも変わらなかった。さらに、鋳型P上の取り込みはGとCとの間で差がなかった。以上の現象が、大腸菌内のDNA複製でも起きていれば、ニッケルの効果を説明することができる。また、dPTPの大腸菌逆転写酵素による取り込みも検討し、よい基質となることがわかった。取り込みの詳細については現在さらに検討中である。リボ体のトリリン酸体であるrPTPについては、エイズウイルスの転写の因子であるTatたんぱく質と結合するTAR RNAに対する取り込みの実験を行った。その結果、rPTPはrUTPの替りに良く取込まれ、完全にUがPで置き変わったRNAを調製するこができた。その構造はUを含むものとは多少違っているが、TATとの結合能は25%残っている。また、リボヌクレオシドrPは弱い変異原性を示すことがわかった。
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