研究課題/領域番号 |
09044311
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今村 展隆 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 講師 (60110821)
|
研究分担者 |
GLUZMAN Daniel F. ウクライナKavetsky癌研究所, 副所長・教授
KLIMENKO Ivanovich Victor ウクライナ放射線医学センター, 教授
GULUZMAN Daniel Fishelevich Research Institute for Radiation Biology and Medicine, Hiroshima University, Associate Professor
GLUZMAN Dani ウクライナKavetsky癌研究所, 副所長, 教授
KLIMENKO Iva ウクライナ放射線医学センター, 教授
木村 昭郎 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70127645)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 急性骨髄性白血病 / 急性リンパ性白血病 / 慢性骨髄性白血病 / 慢性リンパ性白血病 / 骨髄異形成性症候群(MDS) / リクイデーター(除染作業従事者) / ウクライナ / 血液腫瘍疾患 / 骨髄異形成症候群(MDS) |
研究概要 |
我々は非汚染地区であるビテブスク州(人口1,423,000名ベラルーシ共和国)においてリクイデーター(除染処理作業者)に高率の白血病発症を認めた。多数のリクイデーターが居住しているウクライナ共和国においても同様であった。更にドネエプロペトロフスク、ドネツク及びチャーコフ州に居住しているリクイデーター(各々 21,906, 26,503, 28,314名)と、それらの州における非被爆者男性に発症した白血病及び悪性リンパ腫の発症率を比較した。これらの州における白血病発症率は1986年のリクイデーター群において相対リスク3.02と非被爆者群と比較して高率であり、一方1987年のリクイデーター群では相対リスク1.05と低値であった。この差は1986年のリクイデーターに大線量被曝を受けた人々が多数存在している結果であり、白血病発症が線量依存性に発症している可能性を強く示唆している。悪性リンパ腫発症においても同様であり、1986年のリクイデーター群において相対リスク1.35とやや高率で、1987年のリクイデーター群は0.75と低率で白血病発症と同様に線量依存性である可能性を示唆するものと考えた。 更に重要な事実は、原爆被爆者に発症した骨髄異形成症候群患者が白血病に進展する際にp53癌抑制遺伝子の突然変異を持っていた事実と同様に、検討し得た2例の急性骨髄性白血病にp53癌抑制遺伝子異常を認めた。放射線被曝によりDNAの突然変異が招来されたものと考えた。
|