研究課題/領域番号 |
09044315
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 清 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00175564)
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研究分担者 |
坂井 隆志 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (80284321)
冨田 優美子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (00089913)
YOSEPH Oded テルアビブ大学, 神経生化学部, 講師
YOSEPH Oded. テルアビブ大学, 神経生化学部, 講師
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | D-アミノ酸 / D-アミノ酸酸化酵素 / 中枢神経系 / アストロサイト |
研究概要 |
1.ラット中枢神経系におけるD-アミノ酸酸化酵素の構造とその発現調節 D-アミノ酸酸化酵素(DAO)の中枢神経系における生理的意義を追究する目的で、ラット脳組織に発現されているDAOの構造とその遺伝子発現の経時的変化を解析した。Wistarラットの生後2、4、7、15、28日の大脳皮質と小脳の組織からmRNAを精製し、DAO遺伝子の発現レベルをRT-PCR法を用いて検討した。その結果DAOは、生下時から脳で発現しており、そのレベルは培養アストロサイトの発現量と変わらないことが確認された。生後は経時的にDAOの発現は変化し約15日で最大値を示した。大脳皮質では生下時の約3倍、小脳では約11倍に増強し、成熟ラットの小脳では大脳皮質の約10倍の発現レベルを示した。さらに、これらラット中枢神経系で発現されているDAOmRNAの塩基配列を940bpにわたって決定したところ、既に報告しているマウス腎臓DAOmRNAと90.6%、アミノ酸レベルで89.6%の高い相同性を示し、ブタ酵素の活性中心Tyr-224,Tyr-228,Arg-283も保存されていた。 2.培養アストロサイトにおけるD-アミノ酸酸化酵素の遺伝子発現とその調節 D-アミノ酸酸化酵素(DAO)はペルオキシゾームに局在するフラビン酵素でヒトにおいても、腎臓・肝臓・脳などの組織にその存在が明らかにされている。本酵素の生理的意義を追究する目的で、ラット培養アストロサイトを用いてDAO遺伝子の神経組織特異的発現とその調節の解析を行った。出生後3日以内のWistarラットより大脳皮質及び小脳を切除し、トリプシンにて細胞を分散後、ポリ-L-リジン処理済デイッシュを用いて10%FBC含有MEM培地で培養を行った。培養開始後約14日でtypeIアストロサイトがconfluentに達するグリア細胞の初代培養系を大脳及び小脳由来の組織で各々確立した。この培養細胞におけるDAO遺伝子の発現を、RT-PCR法にて検索したところ、小脳のみならず大脳由来のグリア細胞でもDAOをコードするmRNAの発現が認められた。そこで動物脳組織にその存在が明らかとされているD-セリンのDAO遺伝子発現に対する効果を検討した。その結果、大脳皮質由来グリア細胞においては、30mM D-セリン添加後30分で有意の発現誘導が観察された。しかしながら、小脳由来のグリア細胞では顕著な遺伝子発現の変化は認められなかった。
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