研究課題/領域番号 |
09044341
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
各務 伸一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10115545)
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研究分担者 |
GUIDOTTI Luc The Scripps Research Institute, Departmen, Assistant
CHISARI Fran The Scripps Research Institute, Departmen, Professor
石川 哲也 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10288508)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / トランスジェニックマウス / 細胞障害性T細胞 / 抗ウイルス効果 / 抗炎症療法 / 変異ペプタイド / アンタゴニスト / ワクチン |
研究概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニックマウス(HBs抗原を肝細胞に表出)にHBs抗原特異的細胞障害性T細胞(CTL)を移入すると肝炎が発症し、HBV関連抗原、及びHBV-mRNA、-DNAが排除される。このモデルにおいて、異なるサイトカイン産生パターン(IFN-γ、TNFα、IL-10など)を持つCTLクローンにより引き起こされる、炎症及び抗ウイルス効果の違いを検討した。抗ウイルス効果はIFN-γ、TNFαなどのサイトカイン産生量に規定される傾向を示したが、炎症の程度はこれらと相関しなかった。これにより、抗ウイルス効果を阻害しない、特異的抗炎症療法に向けて示唆が得られた(平成9年10月第1回肝臓学会大会にて発表)。これらのCTLクローンのTCRは多様性を持つが、全て共通のエピトープ(HBs抗原中のaa28-39)を認識し、更に共通のTCR認識部位が存在する(aa33)。この部位に変異を導入した、CTLによる認識効率の著しく低下したペプタイドの添加により、CTLの野生株ペプタイドへの認識が阻害されるかどうかを、invitroにおいて検討した。今回の実験では、高濃度ではいずれも野生株ペプタイドへの認識を阻害する効果を認めたものの、低濃度より阻害効果のある、いわゆるアンタゴニストは認めなかった(平成9年4月第33回肝臓学会総会、平成9年9月The Molecular Biology of Hepatitis B Viruses Meeting、平成9年11月第48回米国肝臓病学会にて一部発表、論文投稿準備中)。また、上記を含めた変異ペプタイドのMHC分子(L^d)への結合性の検討では野生株のものより強い結合性を示すものも確認されており、これらのペプタイドのワクチンなどへの応用の可能性が示唆された(平成10年4月第34回肝臓学会総会にて発表予定)。尚、フランス及びサンディエゴで有益なディスカッションが行われ、今後の共同研究の継続が確認された。
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