研究分担者 |
PECHERE Jean ジュネーブ大学, 医学部, 教授
POOLE P.Keit クイーンズ大学, 医学部, 助教授
津田 雅孝 岡山大学, 理学部, 助教授 (90172022)
辻元 秀人 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10257777)
西野 武志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50097838)
PECHERE Jean-Claude Geneve University, Department of Genetics and Microbiology
KEITH Poole クイーンズ大学, 医学部, 助教授
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研究概要 |
研究代表者および研究分担者は,細菌の多剤耐性をもたらす排出システムについて,臨床上重要なグラム陰性細菌であり,多剤耐性化が問題となっている緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) に焦点を絞り,その染色体上にコードされているマルチコンポーネント型多剤排出システムの多剤耐性化への寄与について研究を行い,次の結果を得た. 1)緑膿菌染色体上には既に知られた2種類の排出システムに加えて,それらと類似した第3の排出システムが存在し,それらの発現はキノロン系抗菌剤間で異なる. 2)排出システムの内幕コンポーネントにより基質認識が行われ,他のコンポーネントは排出を促進する役割を果たしている. 3)これらの遺伝学的解析を推進する上で,染色体上の遺伝子を除去するシステムの開発が必要であったが,トランスポゾンTn3をベースに容易にかつ任意の位置の染色体遺伝子を欠失するシステムの開発に成功した. こうして,緑膿菌の多剤耐性化に多剤排出システムが大きな寄与を果たしていること,さらに排出基質の認識は内幕コンポーネントによって行われていることが明らかになった. この多剤耐性の克服は緑膿菌感染症の治療の円滑な推進のためにも必要である. このためには,排出システムのより詳細な機構の解明が望まれる. 本研究グループはさらに連携を深めることにより薬剤排出の機構を分子レベルで推進することを計画している.
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