研究課題/領域番号 |
09044344
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 (1998) 近畿大学 (1997) |
研究代表者 |
倉根 一郎 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 部長 (90278656)
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研究分担者 |
高崎 智彦 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (20221351)
ENNIS Franci マサチューセッツ大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | フラビウイルス / デングウイルス / 日本脳炎ウイルス / ワクチン / キラーT細胞 / デンブウイルス / デンフウウルス / エピトープ |
研究概要 |
現在フラビウイルスに対するワクチンは、各ウイルス特異的ワクチンの開発をめざした研究が多い。我々は数種のフラビウイルスに対して防御免疫を誘導する、フラビウイルス交叉性ワクチン開発を最終の目的として以下の実験を行った。BALB/cマウスにおいてデングウイルス特異的、CD8陽性キラーT細胞の認識するNS3蛋白上のエピトープに対する反応性を解析した。マウスをデングウイルス2型で免疫すると、出現するデングウイルス特異的キラーT細胞はアミノ酸番号289-306のエピトープを認識した。これらのキラーT細胞の多くは、デングウイルス2型と4型に交叉性のものであった。一方、マウスをデングウイルス2型で免疫すると、同様にアミノ酸番号289-306のエピトープを認識するCD8陽性キラーT細胞が出現するが、これらのキラーT細胞はデングウイルス1型-4型を認識する、デングウイルス型交叉性のものであった。さらに、これらのクローンはクンジンウイルスやマレーバレーウイルス等、他のフラビウイルスにも交叉反応を示した。以上の結果は、デングウイルス型交叉性さらには、フラビウイルス交叉性キラーT細胞の存在を示し、フラビウイルス交叉性ワクチン開発の可能性を示唆するものである。また、初感染をおこすデングウイルス型により、誘導されるCD8陽性キラーT細胞の血清型交叉性が異なることは興味深い。この結果は初感染、再感染時の血清型の組み合わせにより、デング出血熱の発生頻度が異なるという、疫学的データとの関連も示唆する可能性がある。さらに、日本脳炎に免疫されたヒトリンパ球から樹立した、日本脳炎ウイルス反応性CD4陽性T細胞クローンは、ウエストナイルウイルスにも反応性を示すものを含む。従って、フラビウイルス交叉性T細胞はヒトにおいても存在する。
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