研究分担者 |
DOERFLER Wal Koln大学, 遺伝学研究所, 教授
和田 秀穂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70191830)
神崎 暁郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40148698)
杉原 尚 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60140505)
山田 治 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (50104790)
|
研究概要 |
(I)膜蛋白関連遺伝子の発現に関するgene methylationの研究: ヒト赤血球膜蛋白,特にβ-spectrin(β-Sp),band3(B3),protein4.2(P4.2)の関連遺伝子について,その正常および病態における発現調節をpromoter領域を中心に5'-CpG-3'sitesのmethylationの立場からbisulfite法(Zeschnigk,M et al,1997)を用いて検討した。検討したCpG sitesは,β-Sp 40 sites,B3 13 sites,P4.2 7sitesである。正常ではB3とP4.2遺伝子は強くmethyl化を受けているのに対して,β-Sp遺伝子は検索した全領域に亘ってunmethylatedであり,前2者と著しい対照を示した。また,P4.2完全欠損症では正常に比較して,B3遺伝子promoter領域の3〜5個所に全くunmethylatedであるCpG sitesが発見され,この所見は病因遺伝子を異にする3家系(P4.2 Nippon,P4.2 Komatsu,P4.2 Shiga)で共通して認められた(Yawata Y et al:Blood 90:8b,1997;Wada H et al:Exp Hematol,in press,1998)。次年度(平成10年度)以降(採択内定済み)の共同研究でその詳細を明らかにしたい。 (II)我が国における赤血球膜異常症,特に遺伝性球状赤血球症(HS)の病態発生機構の研究: HS 37家系92例および正常対照34例について,赤血球膜蛋白分析,当該膜蛋白の遺伝子解析を行った。その結果,ankyrinについては12種の塩基変異を見出したが,silent mutationであった。これに対してband 3減少症では,frameshift変異3種,missense変異5種,polymorphism 7種を発見した(Kanzaki A et al:Brit J Haematol 99:522-530,1997;Kanzaki A et al:Blood 90:6b-7b,1997)。また,allele 4.1(-)Madridについて赤血球膜構築in situの重要な異常を発見し,公表した(Yawata A et al:Blood 90:2471-2481,1977)。
|