研究課題/領域番号 |
09045080
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 助手 (70281730)
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研究分担者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
HAMMER Claus ミュンヘン大学, 実験外科学研究所, 教授
MESSMER Konrad ミュンヘン大学, 実験外科学研究所, 教授
尾崎 信弘 (尾崎 信広) 京都大学, 医学研究科, 助手 (50211818)
MESSMER Konr ミュンヘン大学, 実験外科学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ストレス蛋白 / 脳死 / 肝移植 / 肝微小循環 / 虚血再灌流 / 耐性 / クッシング現象 / 接着分子 |
研究概要 |
ラットにおける脳死モデルは、脳波の直接測定も可能となり、脳死の誘導後2-3分にて消失し、1-3時間後は完全にフラットであるモデルが確立した。角膜反射も消失し、血圧測定においても脳圧上昇とともに急峻な上昇とそれに続く急激な下降を生じ、3時間後まで低値にて安定することにより、脳死のCriteriaは満たした。肝内微小循環動態に関しては脳死肝においては白血球の内皮への接着が増強しており、門脈、後類洞細静脈の径の狭小化に伴い白血球の流速も低下していた。この現象とパラレルに顆粒球のCD11の発現を調べたことろ脳死ラットで有意に高かった。この結果は犬の脳死モデルで血中ケトン体比が低下しない理由として血管へのα作用の消失による肝内微小循環動態の維持を想定した事と一致しなかった。しかし、肝はその後に冷却保存を受けエネルギー代謝は一旦休止状態になる。移植手術が完了し温血による再灌流をうけた後にその活動を再開するわけではあるが、脳死に至る間に活性化されたサイトカイン等の影響が摘出前の肝に対しては予備能力の範囲で微小循環等への潜在変化となり、これが冷却保存・温血再灌流の時点で顕性化され、primary graft dysfunctionの原因となる可能性が考えられた。クッシング現象による熱ショック蛋白質合成の解析はラットでの脳死維持時間が現在のところ3時間程度であり、Western blotで蛋白としての発現は同定できなかった。Northern blotによるm-RNAの解析ではsham手術のラットにおいてもHSP72の発現がみられ、脳死に至るクッシング現象自身がtriggerとなるかどうかの判定はもちこされた。脳死肝クラフトがおかれる特異環境とそこで発生する細胞レベルでのストレス応答をさらなる解明する事で細胞の分子レベルでのストレス応答を制御し、移植手術の可能性を広げることのできるmolecular surgeryの新しい展開を期待できるものと考えている。
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