研究課題/領域番号 |
09101001
|
研究種目 |
特別推進研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
化学系
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山村 庄亮 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40076708)
|
研究分担者 |
長谷川 宏司 筑波大学, 応用生物系, 教授 (70094167)
上田 実 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (60265931)
小瀬村 誠治 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (70231313)
横谷 香織 (富田 香織) 筑波大学, 応用生物系, 助手 (10217531)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
190,000千円 (直接経費: 190,000千円)
1999年度: 29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
1998年度: 41,000千円 (直接経費: 41,000千円)
1997年度: 120,000千円 (直接経費: 120,000千円)
|
キーワード | 光屈性 / 植物の成長抑制物質 / SAUR遺伝子 / 光屈性天然分子 / 植物の就眠運動 / 就眠物質 / 覚醒物質 / 生物時計 / SAUR 遺伝子 / 植物の光屈性 / 光誘起成長抑性物質 / オーキシン拮抗作用 / 植物の就眠及び覚醒物質 / サーカディアン・リズム |
研究概要 |
植物の光屈性:光屈性についてはCholodony-Went説が定説となっているが、最近、光屈性の原因として光側に成長抑制物質の生成することが申請者らにより示された(一昨年より高校の教科書に両説が併記されている)。即ち、申請者らはダイコン、トウモロコシなどの植物について光誘起成長抑制物質を明らかにし、その生成機構を証明した。さらに、これらの光屈性天然分子が光側で多く生成し、影側の細胞伸長が光側に比べて大きいことも明らかになった。また、トウモロコシの光屈性天然分子(ベンゾオキサゾリノン)については、成長を促進するオーキシンと拮抗することもわかり、その標的生体高分子(ABP1)との相互作用を明らかにするために、光親和性標識化合物の合成に成功した。さらに、光屈性反応との関連性が示唆されているSAUR遺伝子をダイコンから単離し、そのプロモーター配列を含む全塩基配列を決定した。これまでの研究成果に基づき、従来の定説に反し、新しい光屈性機構を提案した。 植物の就眠運動と生物時計:一般に、オジギソウやネムノキに代表される多くの植物は、ほぼ一日周期で葉の開閉運動(就眠運動)を行う。従来、「就眠物質は植物に共通」と専門書に記載されているが、申請者らは定説に反して植物の種類によりそれぞれ異なった就眠物質を発見した。また、葉を開かせる物質(覚醒物質)はオーキシンと専門書に記載されているが、この点も間違いで、オジギソウなど5種類の植物からそれぞれセットで異なった就眠及び覚醒物質を単離した。さらに、植物の就眠運動が就眠物質と覚醒物質のバランスに依存することを実験的に証明した。特に、メドハギの場合、夕方にbーDーグリコシダーゼが働いて覚醒物質の濃度が減少することを示した。他方、コミカンソウでは早朝にbーDーグルコシダーゼが働き、就眠物質の濃度が減少することにより葉が開くことを実証し、新しい植物の就眠機構を提案した。オジギソウについては、従来同一視されていた刺激伝達物質と就眠物質が異なることを実証し、両者の運動のメカニズムが異なることが明らかとなり、今世紀初頭からの懸案を解決した。
|