研究課題/領域番号 |
09102009
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松波 弘之 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026035)
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研究分担者 |
木本 恒暢 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80225078)
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
吉本 昌広 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20210776)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
255,000千円 (直接経費: 255,000千円)
2000年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1999年度: 61,000千円 (直接経費: 61,000千円)
1998年度: 74,000千円 (直接経費: 74,000千円)
1997年度: 85,000千円 (直接経費: 85,000千円)
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キーワード | シリコンカーバイド / パワーデバイス / pn接合ダイオード / MOSFET / イオン注入 / 熱酸化 / エピタキシャル成長 / 深い準位 / 不純物ド-ピング / フォトルミネセンス |
研究概要 |
本研究では、高純度SiCエピタキシャル結晶を用いた高性能SiCダイオードとMOS型SiCパワーデバイスの作製を行った。以下に本年度に得られた主な成果をまとめる。 1.高性能SiCダイオードの作製 (1)Al、Bイオン注入より形成したプレーナ形pn接合ダイオードを作製し、耐圧2900V、オン抵抗8mΩcm^2という非常に優れた特性を得た。厚膜を用いたダイオードでは、最高で4600Vの高耐圧を得た。逆方向漏れ電流も-1000V印加時で10^<-6>A/cm^2と非常に小さい。 (2)ダイオードの温度特性を調べ、200℃の高温でも良好な動作を確認した。耐圧は温度の上昇と共に高電圧側にシフトし、絶縁破壊がトンネリングではなくアバランシェ破壊によるものであることが判明した。また、アバランシェ時の電流を3A/cm^2まで増大させても特性劣化しないというロバスト(堅牢)なダイオードの作製に成功した。 (3)ダイオードのスイッチング特性を調べたところ、ターンオフ時間が20ns以下と極めて高速のスイッチングが可能であることが分かった。これは、イオン注入によってpn接合界面近傍に、適度な再結合中心が導入されたからである。 2.MOS型SiCパワーデバイスの作製 (1)従来の(0001)面ではなく(1120)面を用いることで、4H-SiCのMOS反転層チャネル移動度を5〜10cm^2/Vsから80〜97cm^2/Vsにまで向上させた。また、SiC(1120)面上のMOSFETでは温度を上昇させたときにチャネル移動度が減少するという半導体デバイス本来の特性が現れる。 (2)高耐圧横型SiC MOSFETのデバイスシミュレーションを行い、長さ10μm程度、ドナー密度1×10^<17>cm^<-3>程度のRESURF領域を用いることで1000V以上の耐圧が達成できることが分かった。 (3)RESURF領域を有する横型SiC MOSFETを試作し、700Vの高耐圧を達成した。また、実際に(1120)面を用いることがオン抵抗の低減に有効であることが分かった。
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