研究課題/領域番号 |
09203102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
百瀬 宏 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (00055295)
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研究分担者 |
高橋 和 山形大学, 人文学部, 助教授 (50238094)
菅原 淳子 二松学舎大学, 国際政治経済学部, 教授 (40196697)
志摩 園子 東京成徳大学, 人文学部, 助教授 (80192607)
大島 美穂 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20203771)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 下位地域協力 / バレンツ協力 / 環バルト海協力 / 環黒海協力 / ユーロリ-ジョン / EU / NATO / 地方自治体 |
研究概要 |
本研究計画は、領域研究「スラブ・ユーラシアの変動」に連動して、その西側周辺で進行しつつある下位地域協力の実態を、とくに環内海協力に関心を絞って明らかにするために、(1)スラブ・ユーラシアと西ヨーロッパの接点をなす地域の実状、(2)ロシア周辺の下位地域協力がスラブ・ユーラシアにとってもつ意味、(3)近年世界の諸部分に生まれてきた「下位地域協力」と呼ばれる現象の理論的解明の緒、を考察する目的を掲げて発足した。 本研究組織は、バレンツ協力・環バルト海協力、環黒海協力、中・東欧地域のユーロリ-ジョンに関して、各々の地域や内部の国家に視点をおいて地域の実状を明かにする過程で、以下のような知見を得た。(1)その不定型的性格:自然地理的意味においてばかりでなく、環内海協力は事態の発展如何で隣接する他の環内海協力に結び付き、より大きな下位地域に「入れ子細工」のように発展していく可能性を持つ。これはバレンツ協力と環バルト海協力の関係に象徴的であった。(2)国家より低いレベル(地方自治体など)の活躍:これは、CBSSやBSECのように関係諸国家の協定が制度的保障を与えて初めて意味を担うが、特に中・東欧地域のユーロリ-ジョンに見られるように、国家が実質的に活動を担えない状況において重要であった。(3)多岐にわたる活動分野:その中で環バルト海協力にあるように安全保障概念の他分野への拡大と逆に他分野からの浸透という現実も始まり、全体に地域の安定に下位地域協力が貢献している実態が明らかになった。(4)結論:下位地域協力を、早急な成果を得るための「問題解決」組織として見るよりは、むしろ地域の諸行為体間の相互理解プロセスという点から評価すべきであるが、そうしたプロセスが全体としてロシア連邦の長期的安定に及ぼす可能性は看過できない。
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