研究課題/領域番号 |
09206212
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
樋口 美雄 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20119001)
|
研究分担者 |
阿部 正浩 電力中央研究所, 主任研究員
井上 徹 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (30203243)
新保 一成 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (80226349)
北村 行伸 慶應義塾大学, 商学部, 客員助教授
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | パネル・データ / 雇用創出 / 雇用喪失 / 雇用安全 / マイクロ・データ |
研究概要 |
産業計における雇用の変動を見ると、わが国では雇用喪失率の変動は相対的に小さく、1国全体の雇用量の変化は主に雇用創出率の変化を通じてもたらされていたといえる。すなわち景気が後退しても、雇用喪失率の方は相対的に安定しており、雇用量の減少は雇用創出率が大きく落ち込むことによってもたらされてきた。しかし、バブル崩壊後、雇用喪失率も上昇してきており、雇用創出率の低下に拍車をかけている。 産業別に雇用創出率と雇用喪失率を見ると、情報サービス、不動産業、建設、小売、情報サービス、通信といった産業では雇用を創出する事業所と喪失する事業所が並存している一方、電気ガス、鉄鋼、医療、石油製品、科学といった産業では各事業所が同じ方向を向いて一斉に雇用を変動させている。 また、地球を大都市圏と、それ以外の地方圏の二つに分けて、雇用創出率、雇用喪失率について見てみると、バブル崩壊以前においては雇用創出率は都市圏(4.70%)の方が地方圏(4.18%)より大きく、喪失率は逆に都市圏(3.61%)の方が地方圏(4.00%)より小さかった。その結果,雇用量の純増は都市圏の方が大きかった。ところがバブル崩壊以降になると、都市圏の雇用創出率(3.59%)は大きく落ち込み、喪失率(4.26%)と大きく上昇し、ネットの雇用変化もマイナスになっている。とくに創出率の落ち込みは大きく、バブル崩壊前と後の喪失率の上昇が0.45%ポイントであるのに対して、創出率の落ち込みは1.11%ポイントにのぼる。それだけ都市圏おいて雇用を創出する企業が減っていることが雇用の減退に大きく影響していると言える。他方、地方圏では、創出率(4.31%)にしても喪失率(4.07%)にしても、都市圏ほど大きな変化はない。雇用創出率はバブル崩壊以前よりもわずかであるが伸びている。もっともこれは92年に大きく伸びたためであり、年々の動きを観るとやはりそれ以降、地方でも創出率は低下してきている。だがそれでも都市圏に比べれば創出率は依然高い。)
|