研究課題/領域番号 |
09207102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
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研究分担者 |
長崎 勤 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80172518)
辰己 格 (辰巳 格) 東京都老人総合研究所, 室長 (40073027)
杉下 守弘 東京大学, 医学系研究科, 教授 (10114513)
川島 隆太 (川島 隆大) 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (90250828)
山本 淳一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (60202389)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
99,500千円 (直接経費: 99,500千円)
2000年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
1999年度: 29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
1998年度: 24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1997年度: 23,800千円 (直接経費: 23,800千円)
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キーワード | コンピュータ支援指導 / 刺激等価性 / 障害児 / 心の理論 / 機能脳画像 / 機能的MRI / ポジトロンCT / 加齢 / 調整行為 / 失語症 / 音声発達 / 発達障害 / 行動改善プログラム / 他者意図理解 / 認知機能 / 言語機能 / 認知発達障害 / コンピュータ支援 / 言語処理 / 欲求意図理解 / 教育支援システム / 機能的脳画像 / 老齢ザル |
研究概要 |
計画研究「心の発達:認知発達障害」は特定領域研究に相応しい、障害の先端的な研究を目指した。その一つは障害児研究への新しい研究法の導入である。コンピュータを用いた障害児の行動改善指導法を確立する一方、スクリプトによる障害児のコミュニケーション行動の分析、指導の研究を行った。もう一つは機能脳画像法による障害の基礎的な研究である。現在、ポジトロンCTや機能的MRIを障害児に適用することは難しい。そこで老齢者を含む成人で将来の障害児の脳画像研究を見据えた基礎的な研究を行った。この他に、老齢ザルの認知機能の研究も実施した。 障害児のコンピュータ支援指導では、家庭に訓練用のコンピュータを導入した。それによって多数回の、安定して、きめの細かい指導が可能になり、有効だった。訓練は刺激等価性のパラダイムに基づいて行われたが、平仮名の聞き取り、漢字の獲得などで成果を挙げた。スクリプトによるコミュニケーションの分析では、心の理論の基盤をなす、他者の意図の認識が自閉症児はもとより、ダウン症児でも十分でないことが明らかになった。 機能脳画像の研究では、心の理論などで話題になっている視線の検出に扁桃核が関係することを明らかにした。しりとり課題が半球優位の決定に有効であることが分かった。また、オノマトペが実際の事物とその名称(言語)の間のギャップを埋める可能性が示唆された。失語症の言語の再獲得に利用可能かもしれない。また、高齢者では語想起において左側頭部、左前頭部の活動が低下していた。高齢者の喚語困難の基盤をなすと思われる。 最後に、老齢ザルの認知機能の研究では、学習セットの形成が困難なこと、連続逆転のエラー・パターンの分析などから、前頭葉の眼窩面の機能低下が推定された。老齢ザルは刺激の変化による妨害効果を受けやすい傾向が強かった。ヒトと共通するだろう。
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