研究課題/領域番号 |
09207215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
竹下 秀子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (90179630)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | チンパンジー / 発達比較 / 道具使用 / 踏み台つくり |
研究概要 |
複数の物体に対する操作をいかに関連づけて道具として使用するのか、その行動にどのような発達的変化がみられるのかを明らかにすることは、ヒトとチンパンジーの認知機能の発達を比較するときに有益な指標となる。オランダ・ア-ネムコロニーでは、複数の物体をもちいて行われる道具使用行動として、高い所に到達するための梯子ないしは踏み台つくりがある。本研究では、乳幼児から成体までの33頭を対象として、踏み台つくりを誘発する場面を設定しチンパンジーが自発的に踏み台を構成して高所に到達する行動を観察し、その加齢変化を検討した。その結果、踏み台つくりは5歳齢でもっとも多く出現した。踏み台つくりのときに使用する箱の数は3〜4歳群と5歳群で顕著な差はないが、踏み台つくりのために持ってくる箱の数は加齢とともに増大し、箱の積み方も変化した。3〜4歳群では、1個めに乗ってから2個めを積むタイプが多く、6〜9歳群では1個めに乗る前に2個めを積むタイプが増加した。しかし、2個続けて積んでそれを踏み台とするような踏み台つくりはすべての年齢を通じてあまりみられなかった。チンパンジーの踏み台つくりは基本的には1つの箱を積む操作の継起によるもので、ヒト1歳後半児による物体操作と類似した特徴を示した。ヒト2歳児の物体操作にみられるような「操作」の埋め込みは、強く動機づけられた道具使用場面においても出現しにくいことがわかった。
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