研究課題/領域番号 |
09207217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
針生 悦子 青山学院大学, 文学部, 専任講師 (70276004)
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研究分担者 |
今井 むつみ 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (60255601)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 言語発達 / 語彙獲得 / 幼児 / 語意学習原理(制約) / 形状類似バイアス / 相互排他性 / 包摂関係 / 固有名詞 |
研究概要 |
幼児は、新しい語がどのような意味かに関して曖昧な情報しか与えられない。にもかかわらず、素速く的確に語の意味を抽出していく。このことから近年、幼児は何らかの原理に従って効率よく語の意味を推論しているにちがいないと考えられるようになった。実際に幼児は、事物に与えられた新しい語を、その事物だけを指す固有名詞としてではなく、形の似た他の事物にも般用可能なカテゴリー名として解釈しがちであり(形状類似バイアス)、1つの事物には1つの名前しか認めようとしない(相互排他性原理)など、幼児の語意学習は、いくつかの原理に支配されているらしいことが見いだされてきている。 ただし、これらの原理が個々ばらばらに働くとすれば、それによってある種の語の学習は促進されても、またある種の語の学習は妨げられることが予想される。例えば、相互排他性原理への固執は、「コリー」「犬」「動物」など包摂的な意味関係にある語が同一の事物に適用されうることの学習を妨げるであろうし、形状類似バイアスの無制限な適用は、カテゴリー名以外の語、例えば固有名詞の学習を不可能にするであろう。これらの原理が語意学習においてうまく機能するには、その適用自体が制約される必要があるのだ。 これに対し、本研究は、原理間の相互作用や世界に関する知識によって、幼児の原理使用は制約されていることを明らかにした。具体的には、第1に、相互排他性原理の適用は事物間の形状類似性によってコントロールされており、形状類似性が高ければ3歳児でも相互排他性原理を乗り越え包摂的な意味関係にある語を学習できること、第2に、2歳児でも、新しく名づけられた対象の既知性や生物性によっては、形状類似バイアスの適用を抑制し、固有名詞を学習しうること、を見いだし、個々の原理の働きを制約するメタメカニズムについて示した。
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