• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

骨化石のアミノ酸を用いた高精度14C年代測定による日本人の起源の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09208206
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

中村 俊夫  名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (10135387)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードアミノ酸 / コラーゲン / 放射性炭素年代 / 加速器質量分析 / 人骨化石 / 獣骨化石 / ナウマン象 / 縄文遺跡
研究概要

本研究では,滋賀県琵琶湖の粟津湖底遺跡から採取された縄文時代の獣骨化石および愛媛県宇和島の海底から採取されたナウマン像の臼歯化石から硬蛋白質コラーゲンを抽出し,更にコラーゲンからアミノ酸の分離を実施した.コラーゲンおよびアミノ酸の回収率をチェックすると共に,これらの炭素,窒素含有率,炭素安定同位体比,さらに^<14>C年代測定を実施した.その結果,以下のことが明らかになった.
(1)粟津湖底遺跡の獣骨化石(^<14>C年代値は約4600yrBP)では,ゼラチンコラーゲンの収率は0.56〜3.80%と,かなり高い値を示した.それらのC/N比は3.0〜3.2の値を持ち,試薬コラーゲンの範囲3.2±0.5に入る.しかし,^<14>C年代は,収率が0.56,0.62%と悪い2点の試料については,明らかな若返りが検出された.この2点は,他の試料より風化が進んでおり,若い炭素の混入があったと推察される.コラーゲンの炭素含有率は38.6〜44.8%と高い値を示した.
(2)アミノ酸の^<14>C年代値はゼラチンコラーゲンのそれより古い値を示し,同じ地層の木片について得られた^<14>C年代値に近くなる傾向を示す.このことから,ゼラチンコラーゲンは年代の若い有機不純物(フルボ酸,フミン酸,など)が完全には除去できていないことが推察される.
(3)回収されたアミノ酸は,純粋なアミノ酸単体ではなくアミノ酸集合体である.液体クロマトグラフィを用いて,アミノ酸集合体の種類文理を行った。粟津湖底遺跡の獣骨化石のアミノ酸試料では、ごく通常のアミノ酸の存在が確認できたが,愛媛県採取のナウマン象臼歯(1.2%の収率で回収されたゼラチンコラーゲンを用いて29,200±870yrBPの年代値が得られた)から採取したアミノ酸では,ごく数種のアミノ酸単体が確認されたにすぎない.ナウマン象化石は,風化が進んでアミノ酸の一部が分解され失われていることがわかる.

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 中村俊夫: "滋賀県粟津湖底遺跡第3貝塚の同一層から出土した木片,哺乳類骨片、セタシジミ貝殻化石の放射性炭素年代の比較" 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. VIII. 237-246 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 南雅代: "骨化石試料に対する信頼度の高い^<14>C年代,炭素同位体比測定の試み" 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. VIII. 247-253 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 池田晃子: "コラーゲンを含む試料の簡便な調製" 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. VIII. 254-257 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 中村俊夫: "滋賀県粟津湖底遺跡第3貝塚から出土した木片,骨,シジミ貝化石の加速器質量分析法による放射性炭素年代" 琵琶湖開発事業関連埋蔵文化財発掘調査報告書1(粟津湖底遺跡I). I. 415-416 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 池田晃子: "加速器質量分析法による静岡県周智郡森町坂田北遺跡出土ドングリ及びクリの根の^<14>C年代" 名古屋大学古川総合研究資料館報告. 13. 81-84 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 成尾英仁: "福山町籐兵衛坂段遺跡の米丸テフラ中の炭化木片の加速器^<14>C年代" 鹿児島県地学会誌. 75. 26-31 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi