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遺跡から出土する微小貝類よりみた日本人の自然環境利用

研究課題

研究課題/領域番号 09208218
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

黒住 耐二  千葉県立中央博物館, 動物学研究科, 学芸研究員 (80250140)

研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード環境考古学 / 日本人 / 日本列島 / 貝類 / 貝塚 / コラムサンプリング / 人為的撹乱 / 農耕文化
研究概要

今年度は,北海道南部の縄文時代早期の貝塚(美々北貝塚,ニナルカ遺跡),滋賀県石山貝塚,沖縄県沖縄島北部地域で現地調査を実施した.また,これまでのサンプルの分析も平行して実施した.
その結果を,淡水産貝類や陸産貝類等のそれぞれの生息場所から考えられるいくつかの問題の方向性を示すという方針の元で,解析した.
淡水産貝類からは,弥生時代になって関東地方から,それまで出土していなかったマルタニシが食料として出土することが明らかになった.つまり,マルタニシの生息場所である水田で稲作が発達するに伴い,この種が増加したものと考えられた.このマルタニシの遺跡からの出土を指標にすると,沖縄等の南島では,少なくとも弥生時代には水田稲作の発達はほとんど生じていなかったと推測された.
また,淡水産貝類の一種である胎生のヌノメカワニナは,太平洋のポリネシアから,インド洋のマダガスカル,東アフリカの熱帯域に広く分布し,水田等の止水に生息し,根栽農耕文化と供に,熱帯地方各地に人為的に運ばれたと考えられる.この種は沖縄の縄文時代後期相当期の遺跡からも出土しており,この時期の「水田」イモ作の可能性が示唆された.
陸産貝類では,数mmの微小種の出土様式から,遺跡のその場所の環境復元の行えることが示された.これは,北海道から沖縄までの,花粉分析等の実施できない亜寒帯から亜熱帯までの広い気候帯での比較調査の行える可能性を示唆している.また,陸産貝類から,日本における縄文時代以降の草原的な環境の減少も示唆された.

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 黒住耐二(分担執筆): "貝のミラクル.軟体動物の最新学(分担:孤島のミラクル)" 東海大学出版会, 350(14) (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 黒住耐二(分担執筆): "日本動物大百科.7巻.無脊椎動物(分担:陸生巻貝類)" 平凡社, 196(5) (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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