研究課題/領域番号 |
09210203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60195419)
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研究分担者 |
佐々田 博之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30146576)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 中性原子トラップ / ボ-ズ凝縮 / 磁気光学トラップ / 偏光冷却 / ド-ナツビーム |
研究概要 |
昨年度まで我々が用いていた原子冷却のための真空槽の真空度は10^<-7>Pa程度であったため、捕獲された原子は背景ガスとの衝突により1秒程度の時定数で捕獲領域から失われていた。これは、磁場によるトラップ中で蒸発冷却を行い、ボ-スアインシュタイン凝縮(BEC)を実現させるために必要な時間に比べて1桁ほど小さい。したがい今年度は、新しい二重磁気光学トラップ装置(Double MOT)を設計・製作するところから実験を始めた。 まず、真空度10^<-7>Pa程度の上部MOTにより87ルビジウム原子を効率的に収集し、偏光勾配冷却により5μK程度にまで冷却した後、この冷却原子集団を重力により落下させ、下部の真空度10^<-9>Pa領域にあるMOTに導き捕獲する。上部真空槽と下部真空槽との間は、圧力差を保ちなおかつ原子の落下は妨げないような形状のパイプで結ばれている。この方法で、下部MOTに効率的に原子を誘導することが可能となり、また下部MOTおける原子捕獲の時定数は100秒程度になると予想される。したがい、磁場トラップを形成し、その中で蒸発冷却を行いBECを実現させるための十分な時間があると期待している。 これまでの状況は、設計を終えたのち97年7月には装置に必要な部品の発注を開始し、98年1月にはすべての部品が届いた。現在、真空槽の組立を終え、真空装置の最終点検を行っている。この点検が終わり次第、上部MOTでの原子捕獲、下部MOTへの原子誘導、下部MOTでの原子捕獲、磁気トラップ、蒸発冷却へと進み、なるべく早くBECを実現しようと考えている。
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