研究課題/領域番号 |
09212207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小島 誠治 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (90134204)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ガラス転移 / 緩和 / ブリルアン散乱 / ダイヤモンドアンビル / 高圧 |
研究概要 |
本研究では、徐冷してもガラスになりうる物質の中から、出来る限り小さく構造の簡単な低分子液体をとりあげ、その動的性質を調べた。誘電測定では広帯域インピーダンスアナライザー(1mHz-10MHz)と時間領域反射法(10MHz-10GHz)を組み合わせることにより、α-緩和と遅いβ-緩和を含む複素誘電率の周波数スペクトルの温度依存性を液体状態から過冷却液体を経てガラス転移点直上に至る範囲で調べた。得られた広帯域の複素誘電率の温度依存性は、Havriliak-Negamiの式で解析し、平均緩和周波数の温度依存性を得た。その結果、TgからTcの低温域では分子が協同運動をする場合のVogel-Tammann-Fulcher則に従うが、それ以上温度が高くなると次第にArrhenius則に近づくことがわかった。 一方、温度一定の条件下で試料体積を静水圧で圧縮することにより起こるガラス転移の研究も、ブリルアン散乱により調べた。静水圧の印加にはダイヤモンドアンビルセルを用い、セル内の圧力はルビー蛍光法により測定した。試料としては、ガラス形成物質のなかで分子が最も小さい部類に属する、メタノール、エタノールを調べた。両物質において縦波音響モードのブリルアン成分の半値幅は、約1GPaの圧力付近で極大を示し、数GHzの密度ゆらぎをともなう緩和がガラス転移圧よりもかなり低い圧力で起こっていることが明らかになった。また、一般にガラス形成物質では、分子が小さく、またその対称性が高いほどガラス化には速く冷やすことが必要となる。現在、この様な系を調べるために以下に述べるCCDを用いたブリルアン散乱迅速測定装置による実験も進行中である。
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