研究課題/領域番号 |
09212224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
加藤 直 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30142003)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミセル / 界面活性剤 / 光散乱 / ダイナミックス / 緩和過程 / 自己拡散 |
研究概要 |
界面活性剤が水中で形成するミセルは、ある条件下で1次元方向に成長し、柔軟性を持つことから紐状ミセルと呼ばれる。紐状ミセルはある濃度以上で絡み合いによるネットワーク構造を形成するが、そのダイナミックスに関しては、これまでのところ統一した見解には至っていない。申請者はこれまで、代表的な非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン系界面活性剤C_nH_<2n+1>(OC_2H_4)_mOH(C_nE_m)の準希薄溶液について、種々の測定を行ってきた。今回は、ネットワーク全体のダイナミックスを調べる目的でC_<16>E_7、C_<14>E_6のD_20溶液およびこれらに高級アルコールや脂肪酸を添加した系の動的光散乱の測定を行った。 光散乱強度の時間相関関数には、散乱角に依存する相互拡散による緩和過程に加えて、散乱角に依存しない緩和過程(slow mode)が見出された。slow modeの緩和時間τ_sは低温度領域では濃度増加と共にまず増大し、極大値をとった後減少した。高温度領域では極大を与える濃度は低濃度側に移った。これらの結果は、高温・高濃度領域では、緩和過程がミセルの融合・解離過程に支配されていることを示唆している。 以前報告した界面活性剤の自己拡散係数と申請者が提案しているモデルにより、界面活性剤分子が一つのミセルに滞在している時間τ_mを見積もったところ、τ_sにほぼ等しいことがわかった。この結果は、絡み合った紐状ミセルが一時的に融合を起こしたときにのみ界面活性剤分子が別のミセルに移動すると考えれば説明できる。これまでイオン性紐状ミセルの応力緩和に対していくつかのモデルが提案されているが、われわれの系では応力緩和時間と共に、イオン性ミセルでは測定困難な界面活性剤の自己拡散係数が得られているために、モデルが限定できたといえる。
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