研究課題/領域番号 |
09214216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
福沢 仁之 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80208933)
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研究分担者 |
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 教授 (50093828)
高岡 貞夫 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260786)
岩田 修二 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117695)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 氷期ー間氷期サイクル / ヒマラヤ / チベット山塊 / ミランコビッチサイクル / レス-古土壌 |
研究概要 |
本研究では第四紀における氷期ー間氷期サイクルにおけるヒマラヤ/チベット山塊の役割に重点を置いて研究を遂行した.その結果、次のような成果が得られた. 中国の洛川、日本海の795地点、ネパールの力トマンズおよび地中海の974地点における過去240万年間の乾湿変動に基づいて、現在の大気循環が110万年前〜60万年前にかけて成立したことが明らかになった.しかし、10万年周期や大さな振幅を持つ氷期ー間氷期サイクルは出現しないが、4万1千年〜2万3千年周期の小さな振幅を持つサイクルはすでに約250万年前以降に出現している(Tiedemann et al.,1994).そして、Hann and Manabe(1975)の見解に基づきながら、ヒマラヤ/チベットベット山塊の急激な隆起・上昇の前後のアジア大陸周辺の大気循環を復元した.中国洛川のレス-古土壌堆積物から求められる、ヒマラヤ/チベット山塊の急激な隆起・上昇時期は60万年前であるが、日本海の深海堆積物から求められる隆起・上昇時期は80万年前であり洛川から得られた年代に比べて先行している.間氷期における古土壌の成因はモンスーン活動による水蒸気の大陸内部への運搬によるものである.乾湿変動の時期的なずれは、中国洛川と795地点がある日本海北部周辺がモンスーン活動域に含まれたか否かを示している.西南アジアや東アジアのモンスーン活動で、大陸内部へ海洋の湿潤な空気を運搬するものは夏季のモンスーンで、その影響する範囲の北限は偏西風ジェット流路である.すなわち、80万年前から60万年前にかけて、日本海北部(795地点)は偏西風ジェット流路の南方であったのに対して、中国洛川は流路の北方にあったことが明らかになった.
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