研究課題/領域番号 |
09215216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂田 誠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40135306)
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研究分担者 |
高田 昌樹 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (60197100)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | プロトン伝導 / ペロブスカイト型酸化物 / 放射光粉末回折 / SrCeO_3 / マキシマムエントロピー法 / 電子密度 / ホッピング / 差分MEM法 |
研究概要 |
差分MEM法を固体イオニクスに適用し、固体内でのイオンの高速移動経路を解明する為に、2種類の組成の異なる試料、即ち、高温においてプロトン導電性を顕著に示すSrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3-α>およびプロトン導電性をほとんど示さないSrCeO_3の微小構造変化を差分MEMにより明らかにした。放射光粉末回折実験は、高エネルギー加速器機構放射光施設BL3Aに設置されたX線回折装置により行い、精密なX線粉末回折データ収集した。実験により得られたX線回折データはマキシマムエントロピー法とリ-トヴェルト法を組み合わせた方法により解析した。MEM電子密度より、Ce(Yb)-O間に共有結合が存在することが分かった。この様な化学結合状態は、代表的なペロブスカイト型酸化物SrTiO_3と基本的に同じである。結合状態とは別に、Ce(Yb)が非常に特徴的な電子密度分布を示すことが興味深い。Ybの置換により、ある種のDisorder状態が実現し、この様な特徴的な電子密度分布を示すのかも知れない。立方晶の理想的ペロブスカイトでは対称性の要求により必ず対称的であるCe(Yb)-O結合に対して、非対称な電子密度分布をすることも分かった。TetragonalityあるいはOrthrhombicityを電子密度レベルで判断できることを意味し大変興味深い。基準状態として選んだSrCeO_3との差分MEM電子密度からは、Ce(Yb)サイトの構造変だけでなく、純粋な原子の置換では影響を受けないはずの、酸素の差分電子密度分布に非常に興味のある変形が存在することがわかった。即ち、Ybの置換により直接的影響を受けないはづの酸素が、非常に大きなSkewnessが生じている。この様なSkewnessによる静電効果によりプロトンが引きけられ、ホッピングが起こるという可能性もあり、プロトン伝導との関連が非常に興味深い。
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