研究課題/領域番号 |
09215220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (40273510)
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研究分担者 |
池田 靖訓 京都大学, 化学研究所, 助手 (20243090)
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70068138)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | リチウムイオン / 拡散係数 / 電流パルス緩和法 / 欠陥スピネル構造 / 固体電解質 |
研究概要 |
γ-Fe_2O_3(γ-Fe_<8/3>O_4)は、八面体位置に多量の空孔を含むスピネル構造をとる強磁性体である。昨年度の研究でこの物質中のリチウムイオン拡散係数が外部磁場の関数として変化することが明らかになった。-9Tと9Tの間で連続的に約10%の拡散係数変化が観測され、拡散は磁場とイオン拡散の向きが反平行の時に速く、平行な時に遅くなっていた。このメカニズムを明らかにするために研究をおこなった。ホストのスピン系とLiイオン伝導に直接の相関があるかどうかを確かめるためにγ-Fe_2O_3の磁化曲線を測定した結果、保磁力が5000e程度と小さくてそれ以上の磁場では磁性の変化がないため、9Tまで連続的な拡散係数変化の説明にはならなかった。また、横磁場中での拡散係数測定の実験を行った結果、磁場によって散係数の変化が見られたものの、縦磁場中の場合と同程度の変化だった。ローレンツ力はイオンの運動と磁場の方向が垂直の時に最大になるはずであるから、観測されたリチウムイオン拡散係数の変化はローレンツ力によるものではないことがわかる。磁場によって起電力が変化しており、そのために見かけ上拡散係数が変化したように見える可能性を検討するため、磁場中で作用極と参照極の間の電位の測定を行った。2T以下の弱磁場で磁場で起電力の変化が観測されたが、それ以上に磁場を印加していっても更なる変化は起こらなかった。これもまた、9Tまで連続的な拡散係数変化の説明にはならない。また、内殻電子による弱い反磁性を持つリチウムイオン自身が磁場に引っ張られており、電界はなくても拡散が生じる可能性を考え、固体電解質であるRb_4Cu_<16>I_7Cl_<13>中のCuイオン伝導の磁場依存性を測定した。その結果、磁場によってRb_4Cu_<16>I_7Cl_<13>の電気抵抗が変化していることを示唆するデータが得られた。
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