研究課題/領域番号 |
09216205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
佐藤 博彦 東京工業大学, 理学部, 助手 (90262261)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 活性炭素繊維 / ランダムネットワーク / 構造の秩序化 / スピングラス / 物理吸着 / 化学吸着 / フッ素化 / ダングリングボンド |
研究概要 |
大きさ20AÅ程度のマイクログラファイトが乱雑なネットワーク構造を形作る活性炭素繊維(ACF)は極めて多孔質の物質であり、その構造は熱処理を行うことにより規則化する。このようなマイクログラファイトネットワークの電子状態はランダム構造をもつ金属の挙動として、またナノサイズの電子系の問題としてそれぞれ興味ある問題を提供する。一方マイクログラファイトネットワークの間にはマイクロポアが存在し、気体吸着の場として、気体分子とマイクログラファイトとの相互作用の観点から興味がもたれる。さらにフッ素はこのようなマイクログラファイト骨格に共有結合により付加することによりフッ素誘起のsp^3欠陥構造を形成し、sp^3/sp^2混合電子系として興味がもたれる。今年度はマイクログラファイトネットワークの電子状態とその熱処理効果、酸素の吸着およびフッ素化による構造、伝導、磁気物性の変化およびその熱処理効果を以下の通り明らかにした。(1)ACFの乱雑構造は熱処理により秩序化し、マイクログラファイトの電子状態にも大きな変化が生じ、構造の秩序化によるキャリアの伝導パス形成のため、熱処理温度1000℃以下では半導体的、1300℃以上では金属的挙動を示す。この半導体から金属に転移する境界領域でスピングラス的な状態が現れることを明らかにした。(2)酸素分子の吸着には化学吸着的な強い吸着サイトと物理吸着的な弱い吸着サイトがあり、化学吸着的な酸素の吸着によりACFの伝導度が大きく変化することが見出された。また化学吸着サイトは1200℃以上の熱処理により消失することがそれぞれ明らかになった。(3)フッ素誘起のsp^3欠陥はマイクログラファイトの共役π電子系に大きな影響を与え、フッ素濃度F/C〜0.5以上では広がったπ電子系が存在しないことが明らかになった。またsp^3欠陥のもつダングリングボンド状態は非局在的な性格を有することを見出した。
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