研究課題/領域番号 |
09216214
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 公 京都大学, 工学部, 教授 (00026048)
|
研究分担者 |
松尾 二郎 京都大学, 工学部, 助手 (40263123)
高岡 義寛 京都大学, 工学部, 助教授 (90135525)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | クラスターイオン / 表面反応 / エッチング / スパッタリング / 反応生成物 / 質量分析 / 化学スパッタリング |
研究概要 |
常温でガス状の物質から数百〜数千個の分子からなるクラスターを形成しイオンビームとし、加速して固体表面に照射するガスクラスターイオンビーム技術は、従来のイオンビーム技術とは異なる原理に基づいた新たなイオンビーム技術として期待されている。本研究では、クラスターイオンが持つ運動エネルギーによって促進させる固体表面での化学反応過程について調べ、これまでにSF_6クラスターイオンビームのシリコン表面における反応確率が極めて高いということを見いだした。クラスターを構成する分子が反応に関与する場合、運動エネルギーを持つクラスターとして表面に供給することにより、従来の熱反応では起こらない化学反応を発現させることができた。また、運動エネルギーが低い分子一個のイオンビームではこのような高い反応確率を得ることはできないということから、分子集合体であるクラスターを用いることにより初めて起こる反応であると考えられる。 SF_6クラスターイオンをW、及びAuに照射し、その反応性の有無によるスパッタリング機構の違いについて検討した。反応性を伴うSF_6-Wのスパッタ率は、反応を伴わないAr-Wに比べ10倍以上高くなるが、表面平坦度は改善されない。AuはFと反応しないことから、その被スパッタ粒子は水平方向に広がった分布(ラテラルスパッタリング)を示すことが実験的にも明らかになり、ArクラスターをCu基板に照射した場合と一致した。しかしながら、Wの場合は、揮発性のフッ化物であるWF_xが生成され、これらが熱的に蒸発することから被スパッタ粒子はcos則に従って基板から脱離してしまいラテラルスパッタリングがおきにくいことがわかった。これらのことから反応性クラスターイオンの照射によって基板表面反応を促進し高いスパッタ率が得られること、またクラスターイオンによる表面の平坦化はラテラルスパッタリング現象に起因するもので有ること明らかとなった。
|