研究課題/領域番号 |
09217213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
臼井 博明 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60176667)
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研究分担者 |
田中 邦明 東京農工大学, 工学部, 教務職員 (30251581)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | イオン化蒸着 / 蒸着重合 / 高分子薄膜 / ポリ尿素 / ビニル重合 / 配向制御 / 非線形光学 / 有機EL |
研究概要 |
機能性高分子薄膜をデバイスとして活用するためには、高品質な薄膜を作製する技術が必要であり、特に真空中の清浄な環境で成膜することが有意義である。そこで本研究では新たな有機薄膜作製技術としてイオン化蒸着法を用いて、重合薄膜の形成や配向制御を試みた。イオン化蒸着法は単なる蒸着重合法に比べ、イオンの電荷や基板に印加した電圧の効果による電界中で重合・膜成長が進行するため、成膜と同時に膜中の双極子配向を制御できる可能性がある。さらに、イオン化によって分子が励起されるために、通常の蒸着では重合しないような材料からでも高分子膜が得られる可能性がある。本研究ではイオン化蒸着重合法を用いて、1.2種の二官能性モノマーの共蒸着による逐次重合と、2.単一モノマーを活性化させて連鎖重合させる方法の2つの系を試みた。 1.の逐次重合では、1-3ジ(4-ピペリジル)プロパンととと4,4'ジフェニルメタンジイソシアナ-トの共蒸着によるってポリ尿素薄膜を形成した。製膜中の基板表面電位を測定した結果、蒸着時のイオン量や基板バイアス電圧によって基板表面に電界が形成されることが判明した。さらに電界変調全反射減衰法によって膜の圧電定数と電気光学定数を測定した結果、製膜時の表面電位の増大に伴って圧電定数や電気光学定数が制御されることが示された。2.の連鎖重合型では、トリフェニルアミンを機能単位として持つアクリレートモノマーをイオン化蒸着して高分子薄膜を形成した。その結果イオン化蒸着によって分子量数十万の高分子膜が得られること、重合活性種としては中性モノマーとイオンの両者が関係していること、イオン電流量で分子量が変化すること、などが示された。さらに、得られた膜を有機電界発光素子のホール輸送層へ応用した結果、重合膜を用いることによって素子の安定性が向上することが示された。
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