研究課題/領域番号 |
09217233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯田 正二 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00168288)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 有機超薄膜 / 選択的結晶成長 / エビタルキシ- / 分子カラム / 分子ピクセル |
研究概要 |
これまでに、有機薄膜における有機分子の規則的な配列を分子ピクセルとして、その上に電子線によるナノスケールでの描画を行うことのできることを示した。そこでは、有機分子薄膜のエピタキシャルな作成法の開発とエビタキシャル成長の原理を探索し、有用な成長原理を見いだした。また、電子線によるナノドットの形成を行い、5ナノメーター程度の間隔分解能での描画が可能であることを示した。分解能はドット間の格子歪みに依存していた。これらの結果は、分子メモリーとしての可能性があることを示している。しかし、書き込みは容易であるが、読み出しには工夫が必要で、走査プローブ顕微鏡などの採用を検討した。 また、電子線描画は人工的薄膜構造の三次元的構築にも応用できることがわかった。つまり、ある種の有機薄膜を電子線照射により描画し、その上に他種の有機物を成長させたところ、電子線により規則的な構造が変調された場所に選択的に結晶が成長する現象、選択的重畳結晶成長が見いだされた。その構築の理由を調べるために、各種の異種有機分子について、二層膜を作成し、同様な選択的重畳結晶成長がみられる場合を分類し、その界面構造を、電子顕微鏡・・電子線エネルギーフィルター結像法・走査プローブ顕微鏡などにより解析した。その結果、界面での構造的なナノオーダーでの凹凸が選択性を引き起し、吸着エネルギーの微小な差が、選択性に関係していることを明らかにできた。 以上の事から、有機多層膜の形成において、各有機膜間ではあるナノパターンを次々に受け渡す逐次パタ-ニングによる超構造作成の方法を提案することができた。
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