研究課題/領域番号 |
09217235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 有機-無機ポリマーハイブリッド / ゾル-ゲル法 / シリカゲル / In-Situ重合法 / IPNハイブリッド / π-π電子相互作用 / ポリスチレン / 耐溶剤性 |
研究概要 |
本研究では、分子系素構造として有機高分子と無機マトリックスをとりあげ、これら異種の素構造を分子レベルで組み合わせて、新しい機能を発現するハイブリッド型の分子系超構造を構築することを目的として研究を進めた。 ゾル-ゲル反応で無機マトリックスを形成させる反応と同時に有機モノマーの重合も行う、いわゆる「In-Situ重合法」によって、均一なポリマーハイブリッドが合成できた。この手法により、ポリジメチルアクリルアミドとシリカゲルのポリマーハイブリッドやポリスチレンハイブリッドが得られた。さらに、有機モノマーとして例えばメチレンビスアクリルアミドのような二官能性のものを組み合わせることにより、有機マトリックスに架橋構造をもたせることもできた。このような手法により、有機のゲルと無機のシリカゲルがお互いに共有結合はしていないが絡み合っている、IPN(相互侵入網目)ハイブリッドと呼ぶべき材料が合成可能となった。このようなIPNハイブリッドは通常の直鎖状有機ポリマーのハイブリッド材料に比べて耐溶剤性に非常に優れていることがわかった。 また、相互作用の一つとしてフェニル基間のスタッキング、すなわちπ-π電子相互作用を利用することも可能である。例えば、ポリスチレンを有機高分子として用いた場合、ゾル-ゲル反応の出発原料としてフェニルトリメトキシシランのようなフェニル基を有するものを用いると、ポリスチレンと無機マトリックスとの間でπ-π電子相互作用が起こり、結果として均一透明なポリマーハイブリッドが得られた。このπ-π電子相互作用を利用した有機-無機ポリマーハイブリッドの合成は、ポリスチレン以外にもベンゼン環を有するものに適用可能であり、例えばポリカーボネートやポリ(ジアリルフタレート)などからも、フェニル基置換シリカゲルとの均一なハイブリッドが得られた。
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