研究課題/領域番号 |
09218230
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
角田 範義 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30201411)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ベ-マイト / アルミナ触媒 / 不定比酸化セリウム / NO |
研究概要 |
原子レベルで調整が制御できるアルコキシド法は、活性種が高分散した触媒を調整する方法として広範に用いられているが、アルミニウムアルコキシドの加水分解より生成するゾル体に注目した触媒調整についての研究は少ない。そこで、本研究では、針状ベ-マイトゾル(100nm×10nm)を前駆体として調整した不定比酸化セリウム胆持Pd触媒や、銀を胆持した触媒を調整し、表面層で生成した活性点の働きをNOとの反応を通してキャラクタライズした。 貴金属上でのNOは、酸素や水蒸気が存在しない場合、容易に分解するが、分解によって生成した酸素が貴金属上に蓄積していくため、活性は速やかに低下する。従って、貴金属表面に蓄積する酸素を除去できれば、NO直接分解は可能となる。そこで、不定比酸化セリウムの酸素貯蔵能がNO分解活性に与える影響を検討した。Pdが存在しないCeO_<2-x>/Al_2O_3は全く活性が見られなかった。また、Pd/CeO_2/Al_2O_3やPd/Al_2O_3では、反応開始後10分程度で、NO転化率が10%程度まで低下した。これは、パラジウム表面にNO分解により生成した吸着酸素種が蓄積したためと考えられる。ところが、Pd/CeO_<2-x>/Al_2O_3では活性の低下が緩和され、NO転化率10%に低下するまで約8時間を要した。このように、触媒によりNO分解特性に大きな違いが見られ、この原因として酸化セリウムの有する酸素貯蔵能が関係していることが推察される。そこで、反応開始後30分、3時間、10時間後の触媒を取り出し、酸素のTPD測定を行った。不定比酸化セリウムの場合、反応時間による脱離開始温度に違いは見られなかったが、そのピーク面積は反応時間とともに増大した。この結果は、Pd添加による酸素貯蔵能の増加と対応し、パラジウム上に蓄積された吸着酸素種がCeO_<2-x>にスピルオーバーし、活性なパラジウム表面を維持していると考えられる。このことからPdの添加がCeO_<2-x>の働きに有効に作用している明らかとなった。
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