研究課題/領域番号 |
09218235
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (40144430)
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研究分担者 |
末延 知義 大阪大学, 工学部, 助手 (90271030)
伊東 忍 大阪大学, 工学部, 助教授 (30184659)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ゼオライト / 光電荷分離 / 錯体 / 逆電子移動 / 電子移動 / マ-カス理論 / 逆転領域 |
研究概要 |
光エネルギーの化学エネルギーへの変換を行なうためには、逆電子移動を抑え、かつ酸化サイトと還元サイトが分離可能なシステムを開発する必要がある。本研究では、ゼオライト中に有機光受容体分子と還元サイトとして機能する金属イオンを閉じ込めると、光電荷分離触媒として有効に機能することを見いだした。この反応機構の解明を目指し、ゼオライト反応場における光電荷分離の基礎となるゼオライト-溶液界面における電子移動過程についての知見を得た。1.ゼオライト反応場における光電荷分離反応 電子源として鉄2価イオン、光増感剤として10-メチルアクリジニウムイオンを交換したY型ゼオライト(AcrH^+/Fe^<2+>/ゼオライトY)を種々の電子受容体を含むアセトニトリル溶液中に懸濁させ、光照射することで、ゼオライト中には鉄3価イオン、また溶液中にはラジカルアニオン種が生成し、完全な電荷分離が達成された。この光電荷分離系は逆電子移動過程が非常に遅い特徴を有していることがわかった。2.ゼオライト-溶液界面電子移動反応機構 強い-電子酸化剤であるトリスビピリジン鉄(III)錯体([Fe(bpy)_3]^<3+>)をシップ-イン-ボトル合成によりYゼオライト中に閉じ込め、溶液中の電子供与体とのゼオライト-溶液界面における電子移動反応について検討した。その結果、ゼオライト-溶液界面における電子移動は長距離で起こり、非断熱型となることがわかった。このため、光電荷分離反応系において逆電子移動過程が抑制され、高効率な電荷分離が達成できたものと考えられる。また、長距離の非断熱型電子移動に特徴的な、Marcusの逆転領域をゼオライト-溶液界面において初めて観測できた。
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