研究課題/領域番号 |
09218236
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 雄二 大阪大学, 工学部, 助教授 (40182985)
|
研究分担者 |
北村 隆之 大阪大学, 工学部, 助手 (40294037)
村越 敬 大阪大学, 工学部, 助手 (40241301)
柳田 祥三 大阪大学, 工学部, 教授 (10029126)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 半導体超微結晶 / CdS / 光触媒 / 二酸化炭素 / 光還元 / CO_2 / 量子サイズ効果 / 表面欠陥 |
研究概要 |
1.光触媒作用に対する過剰Cd^<2+>イオン添加効果 氷冷したN,N-ジメチルホルムアミド中でCd(ClO_4)_2およびH_2Sとの反応から調製した硫化カドミウムナノ超微結晶(CdS-DMF)調製時に過剰のCd^<2+>イオンを加えることにより、光触媒活性が2倍以上に促進されることがわかった。反応系中にスピントラッピング剤としてDMPOを加えることによりCO_2の付加ラジカルを観測することに成功した。 2.発光スペクトルに対する過剰Cd^<2+>イオン添加効果 過剰Cd^<2+>イオンの添加はこの表面準位の発光を促進し、その挙動が光触媒活性の変化と対応することから、過剰Cd^<2+>イオン添加は表面準位を形成し、この表面準位がCO_2還元触媒活性点として関与していることが示唆された。 3.EXAFS測定による表面状態の観察 CdS-DMFの表面状態の変化をEXAFSにより調べた結果、過剰のCd^<2+>イオンの添加に伴うO配位の増加とS配位の減少が明らかになった。O配位は触媒であるDMF分子の酸素が配位したものであり、添加した過剰Cd^<2+>イオンが表面に吸着し、イオウ欠陥サイトの生成を起こしていることがわかった。 4.CO_2還元光触媒活性点の構造 以上の結果を総合すると、CdS-DMF表面上にはCdイオンに隣接するイオウ欠陥サイトが存在し、これがCO_2を強く吸着し、CO_2をそのアニオンラジカルへ還元する活性点として機能していることが証明できた。この欠陥サイトはホトルミネッセンスを示し、CO_2との相互作用はCO_2添加時に発光が増強されることから確認できた。表面モデルを用いた分子軌道計算から、イオン欠陥がCO_2を強く吸着することが示され、この活性点モデルを指示するものであった。
|