研究課題/領域番号 |
09218239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ゼオライト / 水素化脱硫触媒 / Co-Mo複合硫化物クラスター / 複合効果 / 水素化反応 / 金属カルボニル |
研究概要 |
軽油、重質油の深度脱硫技術の開発は、環境保全の立場からも、現在最重要課題の一つである。我々は、ゼオライト細孔内にCo-Mo複合硫化物活性種が超高分散化された触媒系を構築することにより高機能触媒の開発を目指してきた。ゼオライトの利用により、活性種の超高分散化、超高分散化された活性種と酸点との複合化が考えられる。さらに、超高分散化活性種クラスターが均質な構造をもつ場合には、脱硫触媒における複合効果、例えば、Co-Mo系触媒におけるCo、Mo硫化物間の複合効果の解明および反応機構の解明につながる。本研究では、金属カルボニルを利用することによりNaYゼオライト細孔内に均質なCo-Mo複合硫化物クラスターが構築できること、その組成はCo_2Mo_2S_6であることを示した。複合硫化物クラスターのCoサイトがHDSおよびHYD反応の活性サイトを形成することが明らかとなった。EXAFSを用いて、クラスターの構造決定を行なった。Mo-Mo、Co-Co、Mo-Co結合の配位数およびMo-S、Co-S結合の配位数に基ずき、Co_2Mo_2S_6クラスターはcubane型構造をもつことを明らかにした。現在、設備備品として購入した紫外可視分光光度計を用いてクラスターの電子状態を検討中である。さらに、クラスター構造を計算機化学の立場から検討を行っている。複合効果の大きさを示す活性増大比のクラスターサイズ依存性から、Mo3原子からなるクラスター触媒系が最適であることを示唆した。さらに、触媒の水素化活性と脱硫活性比から、複合効果が最大限発揮されるためには、Coによる硫黄化合物の活性化とMoサイトによる水素の活性化が必要であることを示唆した。
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