研究課題/領域番号 |
09220103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
阿部 圭一 静岡大学, 情報学部, 教授 (80022193)
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研究分担者 |
佐治 斉 立命館大学, 情報学部, 助手 (10283334)
中谷 広正 静岡大学, 情報学部, 教授 (80109131)
東山 篤規 立命館大学, 文学部, 教授 (00118001)
辻 敬一郎 名古屋大学, 文学部, 教授 (20023591)
林部 敬吉 静岡大学, 情報学部, 教授 (20023624)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 空間性認知 / 空間性行動 / 人工現実空間 / 知覚心理学 / 視覚特性 / 奥行分割判断実験 / 変型空間 |
研究概要 |
VR空間の現実度を向上させるため、VR空間の変形を試み、その視覚特性を調べた。現実空間では、通常、床面が長方形、もしくは正方形で構成されているが、ここでは台形とし、奥方向に拡大する変形空間(拡大変形空間)とその逆に奥方向に縮小する変形空間(縮小変形空間)を構築した。空間をこのように変形したのは、VR空間での物理的奥行距離に対する視えの奥行がほぼ直線的に変化するのに対して、自然空間のそれは遠方になるほど手前に知覚される傾向があり、空間を変形させることによってVR空間の奥行視特性を自然空間のそれに近似させることを意図したためである。 拡大率は、1.2と1.5の2条件に、縮小率は0.8に設定した。VR空間の視えの奥行距離特性は奥行分割判断法で測定した。これは、観察者の正中面上に2つのポールを床面から立て、その2つのポール間の視かけの中点を第3のポールを移動させて測定する方法である。VR空間は、奥行20mないし30m、横幅2.5mないし15m、高さ2.5mないし3.5mの広さを画面上に模したものである。空間の3次元性は、両眼視差、パースペクティブ、およぴテクスチュアの3種類の奥行手がかりによって確保された。 13人の観察者による測定の結果から、物理的距離と視えの距離との関係をベキ関数で示し、そのベキ指数値を求めたところ、変形拡大空間(拡大率1.2):0.94、変形拡大空間(拡大率1.5):0.88、変形縮小空間0.94、正規空間:0.87-0.96となった。自然空間のそれは、これまでの視覚研究から0.67程度であることから、(1)VR空間では、自然空間と比較して、過大視の傾向(より遠くに知覚する傾向)が強いこと、(2)空間を拡大/縮小しても、奥行の過大視傾向はそれほど修正されないことなどの結果を得た。
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